働く広場2023年2月号
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千葉銀行の本店など外部の2拠点で働いています。最初はトレーニングとして社員を出向させ、業務遂行が可能だと判断してもらったうえで、業務受託の形で現場に残ります。事前に私たちが「この社員は能力があるので大丈夫です」といくらアピールしても、イメージできない場合もあるので、働く様子を見てもらうのが一番です。誠実に取り組む姿やミスの少ない仕事ぶりに「あの業務もできるかも」と話が広がり、業務拡大へとつながっています。2022年10月からは千葉銀行の発送室業務を全面的に受託しました。ハートフルの管理者5人と社員5人で取り組んでいます。また、業務集中部では、ハートフルの管理者1人と社員5人で融資契約書などの電子化業務を行っています。外部拠点での勤務について事前に社員へヒアリングをしたところ、半分ほどが「外で働いてみたい」と答えてくれました。ただ、現実的には想像と違うケースもありますから、ご家族も交えて相談しながらていねいにフォローしています。実際には、外部拠点に移って活き活きと働く社員が多く驚いています。――アビリンピックにも毎年のように参加され2012年から延べ47人が挑戦してきました。パソコンデータ入力、ワード・プロセッサ、オフィスアシスタントの3種目で、今年度は地方アビリンピックに9人が出場し5人が入賞、全国アビリンピックにも1人が出場しました。先輩を見て「自分も」と手をあげる社員が多いですね。参加者全員に社長から賞状を渡すのが慣例で、私は「チャレンジそのものが大事」と激励しています。競技用の特訓はしていませんが、社内勉強会として開催しているパソコン教室(初級・中級)が練習になっているようです。社内勉強会は勤務時間内の30分ほどを使い、ビジネスマナーやSST(生活技能訓練)、手話などをテーマに月1回行っています。聴覚障害のある社員の企画で始めた手話勉強会では、中級の腕前になった社員が増えました。配布した手話ブックを休憩時間に熱心に読む社員も見かけます。ほかにもエクセルを使った業務当番表などを自主的に作成したり、「外部拠点で働く際の心構え」を自発的にまとめたりする社員もいます。同じ社員の目線でつくられているので、それらへの理解度も高いようです。先日は、当番表の欄外に「人が足りない場合は、いる人でテキパキと行動する!」などと書かれていたのを見つけ、とても頼もしく感じました。社員参加の社会貢献活動にも力を入れていま           す。当社は、2019年の台風被災地で使われたブルーシートをバッグとして再利用し復興支援にあてるプロジェクトに参加し、バッグの包装を担当しました。社会貢献への参画にやりがいを感じる社員が多かったですね。いまは、聴覚障害のある社員が講師を務める、聾学校向けのマネースクールを準備中です。――今後のハートフルの方針についてお聞かせ員一人ひとりの「能力の見える化」がとても重要になると思っています。特にパソコン業務については、エクセルなどのスキルのレベルを表にして明確に提示しています。役立つものなら何でもOK」というスタンスで、漢字検定や英語検定、パソコンに関する検定を一覧表にして社員に配っています。仕事帰りにパソコン教室に通ったり、難易度の高い試験に挑戦し合格した社員もいます。会社が受検料を補助するほか、最初の合格者には記念品を贈り表彰しています。全員の前で表彰される様子を見て刺激を受ける社員もいます。このように、「自分も成長したい」と思える機会をなるべく多く提供したいですね。ちなみに管理者も、全員が「障害者職業生活相談員」の資格を、4割が「職場適応援助者(ジョブコーチ)」の資格を取得しました。さらに社会福祉士を目ざす者もいます。これからも、ハートフルの合言葉「ともに成長する」を、全従業員で実践していきたいと思っています。引き続き新規業務を獲得していくために、社資格取得奨励制度も設けています。「仕事に社内勉強会やアビリンピックへの参加社員一人ひとりの「能力の見える化」もですね。ていますね。ください。15

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