but a ChanceCharity, 「No Charitybut a Chanceされたのですか?大西「自律支援」とはどういうことか。私は最終的には「社員が幸せになること」だと思っています。まずはこれを第一義に考えないといけない。第一義が社員の自律を支援し続けることなので、「社員一人ひとりに寄り添って、能力の維持と向上と自律をしっかりうながしてください」とつねに管理者にはお願いしています。次に、会社として競争力を高めるために社員にも競争力を求めようと、実力ベースの人事制度に変えました。身体が悪くなってパフォーマンスが落ちた人は、評価が下がってしまうのですが、デンソー太陽では、いままで役職に就いていた人でも身体の機能が低下したりすると、その役割を後進に譲って「これからはついていくよ」というマインドがあります。そのため、年齢が高いからではなくて、できる人に役職に就いてもらうという合理的な考え方を取り入れました。年齢にとらわれることはなくなり、自分からどんどん発信していこうという気持ちに切り替わりつつあるので、こうした実力ベースの人事制度というのは、この会社に合っていると思いますね。私は、太陽の家の理念の「No ! ろし, 」を、「機会は平等だけど結果の平等は保証しない」ととらえています。合理的配慮という言葉がありますが、これは「機会の平等」のためと考えています。合理的配慮を尽くし、機会を平等にしたうえで、社員には「自分はこの仕事ではだれにも負けない」という感覚を持ってもらいたいと思います。社員同士お互いに切磋琢磨し、強くならないといけないと思ってほしいです。社員に競争力がつけば、会社の競争力も高まり、結果として社員が幸せになればよいと思います。公平な機会を与えられ、期待されると人はがんばります。実力ベースの人事制度も合理的配慮も、公平な機会の提供だと考えています。具体的にはどのように競争させて清水 いくのですか?大西 競合相手となるデンソーの関連会社に勝って、デンソー太陽にビジネスをオファーしてもらうためにはどうすればよいか。それにはやはり"品質"で勝負ですね。お客さまのところに不良品を出荷したらたいへんなことになります。「デンソー太陽は品質で勝負している」、「品質は生命線」とみんなにいっています。だから絶対に不良品を出さないような業務の仕組みと検査体制の整備が重要です。品質を確保するために業務プロセスが一つ増えたり二つ増えたりすると、生産性が少し落ちることもありますが、品質で問題を起こして出荷が止められることを想定すると、業務プロセスを多少増やすことはいとわない。とにかく品質に投資していくというのがわれわれの戦略ですね。業務委託される側として、われわれが競争力を持つためにどうすればよいかと考えていくと、この方法になるのです。大西社長にとって、障がい者雇用清水 の質とは?大西 デンソー太陽の社員の多くは身体障がいのある人ですが、近年は精神障がいのある人の割合が多くなってきています。そのため、精神障がいのある社員一人ひとりに適切な配慮をし、機会の平等を保つという、とても大きな課題が残っています。また、管理者のマネジメントや、社員育成の質を大きく変える必要があると思います。私がいつも考えているのは的配慮をして機会の平等は保つが、結果の平等は与えない実力主義で進め、デンソー太陽として競合に勝っていかないといけません。障がいのある人だけで勝てるという自信がつけば、障がいの有無に影響されずに質の高いパフォーマンスが発揮できるということを社会に発信できると思います。清水 最初に工場見学で訪問したとき、なんとなく右脳感覚でイメージとして理解していたことが、今日お話をうかがって理解が進み、言語化することができました。最後に、デンソー太陽のスマート班で班長を務める吉よ田だ裕ひさんにお話をうかがっ!」です。合理吉田さんにインタビュー「品質と人の質」働きやすい環境から、高い品質の製品が生み出される工場内で清水編集委員(左)を案内する大西さん(右)デンソー太陽株式会社 取締役社長の大西明彦さん働く広場 2023.225
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