働く広場2023年3月号
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(文:一般社団法人岡山障害者文化芸術協会 阪本文雄)(きらぼしアートセンター)画材:タブレット、タッチペン/画面解像度 4093 pixel×2894pixel協力:一般社団法人岡山障害者文化芸術協会 この鳥はチャバライカル。北アメリカに多く生息し、全長約20㎝。身近にいない鳥を描きたいと、インターネットや電子本のなかにある鳥から選んだという。 タブレットを台に固定し、タッチペンで微細な点描を一つずつ、ていねいに描きあげていく。くちばしは紫、顔は黄色。顔から首にかけて明るい緑のグラデーション、やわらかい感じで中間色が美しい。羽根は薄い黄色の地色に赤、白、緑、ピンク、オレンジ、紫、水色の点描が散りばめられている。3週間、ペンを握る指先に集中してコツコツと描き、やっと仕上げたという。 5年前からこの点描で魚を描きはじめて注目され、岡山県の障害者アートの公募展「きらぼしアート展」で2019年に新人賞、2020年に絵画賞を受賞。昨秋からは鳥を描きはじめ、点描のアーティストは魚から鳥、さらに虫、果物へと、描く対象もセカンド・ステージへ。成長していく明日香ワールドを楽しみに見守るファンは多い。石原 明日香(いしはら・あすか) 2002年生まれ。岡山県岡山市在住。 二分脊椎で中学3年時から特別支援学校へ通う。車いすを利用している。高校1年時から絵を描きはじめ、自由帳にくねくねしたサケ、エイなどをボールペンで描いていた。いまはタブレットを使い、色をつけ、点描で表現するようになっている。 昨秋、就労移行支援事業所でアートに専念するようになり、明るくやさしい表現と、大胆な発想と色遣いで、将来への可能性を秘めた逸材として期待されている。はばたく鳥石原 明日香

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