働く広場2023年3月号
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Liaison 「E■CLO=Eye する仕組み/支援する人)」の資格にならい、眼科にかかったときから、専門家から必要な支援につながる日本版エクロ(ECLO)制度の実現を目ざしています。■  ■■Cは、『コロナ禍で変化している雇用環境に対する取組み』ですが、日視連に寄せられた年間約2000件の相談のうち、就労にまつわる相談を見てみると、2020年、新型コロナウイルス感染症の感染拡大当初の相談件数が突出しており、鍼■灸■マッサージの営業所から、衛生管理や経営にまつわる相談が多く寄せられていました。その後は、企業内のヘルスキーパーや訪問マッサージの仕事に就く方から、自宅待機や休業が続くことによる将来への不安などの相談が多く寄せられています。また、事務職では、ICT環境の変化やテレワークの導入による相談が多く寄せられています。Offi cerlinic/Care 石黒 工藤 最後は、日本視覚障害者団体連合総合相談室長の工藤さんから「視覚障害者の就労の現状と課題」について、発表していただきます。私は、労働省(当時)在職中の1981年にベーチェット病を発病し、1987年に失明。6カ月間の職業訓練を受けた後に、職場復帰しました。その後は公務員として、障害者雇用にたずさわるのと同時に、1995年に、継続雇用を支援するための当事者による支援団体「中途視覚障害者の復職を考える会(現:認定NPO法人タートル)」を発足し、就労相談などを続けています。また、2015年より、「日本盲人会連合(現:日本視覚障害者団体連合=日視連)」に非常勤嘱託職員としてたずさわっています。タートルに寄せられた2021年度の相談件数は、実人数で190件ありました。そのうち65人が網膜色素変性症、35人が緑内障です。相談後に、就労を継続できている人が51%、復職・再就職をしている人が13%、訓練中の人が7%などとなっています。最近は、在職している方の相談が増えています。これは、ロービジョンケア(保有視機能を最大限活用して、視覚障害者のクオリティオブライフ=QOLの向上を目ざす眼科リハビリテーション)が早期に開始されることにより、相談につながることが増えたからだと考えられます。障害の診断を受けたら早期に相談を開始することと、眼科医や産業医、関係機関と連携していくことが大切です。日視連では、将来的に、イギリスの眼科などで活用されている■■(眼科で直接支援今回の座談会のテーマの副題(※3)を増やして通勤支援を障害者の雇用政策は、全体としては拡充傾向が続いていますが、視覚障害に関しては、「専門のジョブコーチがいない」、「リハビリテーションや訓練を受けたくても実施施設がかぎられている」などの厳しい現状があります。そのため、特別対策として、「視覚障害者の就労に対応できる支援者の養成と確保」、「視覚障害者向け在職者訓練を含む職業訓練の普及に向けた取組み」、「ICT技術革新やデジタル革新に対応した支援」、「障害者雇用納付金制度に基づく助成金充実させること」、『目が見えない=仕事ができない』という固定観念を払拭するために「視覚障害者の就労に関する調査研究や情報発信」を行うこと、「視覚障害のある公務員に対する実態調査の実施」の6項目を提言したいと思っています。視覚障害のある優秀な人材を活用できる社会になってほしいと願います。視覚障害者の就労の現状と課題とは※3 各種助成金https://www.jeed.go.jp/disability/subsidy/index.html働く広場 2023.323工藤正一さん

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