働く広場2023年3月号
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それをまたカットして、磨いて、樹脂加工して金具をつけて、ようやくアクセサリーができあがります。拾ってきたプラスチックを溶かしてつくるアクセサリーは、二度と同じものがつくれません。それがたいへんでもあり、おもしろい点です。障害とともに生きていくことはたいへんです。会社や学校、組織で管理された生活、人間関係、現代社会が引き起こすさまざまなストレスに適応できずに疲弊して、生きるのをやめようとした人たちもいます。でも、こうして海岸に行って、潮風や潮の匂いや気温を全身で感じながら、地球が壊れていく様を目の当たりにして、人間の愚かさや、一人の人間の無力さや悲しさや、いろいろなことを感じながら、ちっぽけな自分でも、この地球のために、人間の未来のためにできることがあるんだって思える。それって自分が生きる意味にもつながると思うのです。僕たちは1つでも1グラムでも多くの海洋プラスチック、マイクロプラスチックを減らしたい。そしてそれをアップサイクルして販売することで、障害のある人が夢と希望を持って生きられる未来を、多くの仲間と一緒につくりたい。未来の地球をより良くカエル。障害のある人たちが希望を持って生きることができるようにカエル。僕たちはそう願っています。NSなどを見ていただいて、全国から海洋プラスチックを送っていただけるようになりました。都道府県から、クリーンビーチ活動などで回収した海洋プラスチックを金沢に送っていただき、1年間で総重量は約50㎏になりました。ちの活動やブランドに共感していただき、お取り扱いいただくお店も少しずつ増えてきました。スタートは金沢の専■光■寺■浜■からでしたが、Sいまでは、北海道から沖縄県まで30を超えるコロナ禍ではありますが、おかげさまで私たみなさまのご支援に感謝申し上げます。全国に広がる支援の輪海洋プラスチックをアップサイクルしたカエルデザインのアクセサリー(写真提供:カエルデザイン合同会社)(たかやなぎ ゆたか) エシカル、サステイナブルをテーマに活動する「カエルデザイン合同会社」のクリエイティブディレクター。海外向けコンピューターシステムのシステムエンジニアを経てカルチャー教室でさまざまな文化教室の企画運営などを経験。その後、フリーランスになり地域通貨の発行・運営、雑誌の出版編集、地サイダーやクラフトチョコレート等加工食品ブランドの立ち上げなど、商品企画、ブランディング、マーケティングなどを手がけ、2019年にアップサイクルブランド「カエルデザイン」を友人2人とともに立ち上げる。 カエルデザインは、2020年「第47回石川県デザイン展」知事賞(グランプリ)受賞、「ソーシャルプロダクツアワード2021」ソーシャルプロダクツ賞受賞。           ■■■3高柳 豊働く広場 2023.3

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