働く広場2023年3月号
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大ださん(19歳)は、2022年4月に入 いまと さとか  じうょろき    6最初の3カ月間は日用品の補充作業、その後はずっと飲料品の担当を任されている。以前は数多くの商品名を覚えるのに苦労したり、一度に多くの作業を頼まれて失念してしまったりすることもあったが、すっかり慣れたそうだ。いまは後輩を指導する立場でもある。「とにかく売場の品薄には気をつけて、店舗裏の在庫確認に努めています」と頼もしい言葉をくれた。職場は「話しやすい同僚が多いのも魅力だ」と話す森田さんには、お客さんとの心に残るエピソードもある。 「あるとき飲料品コーナーで親子連れのお客さまが、お目当てのフィギュアつき商品を探していたのを見つけ、一緒に1品ずつ確認しながら見つけ出すお手伝いをしました。後日、店内に設置されている意見箱『お客さまの声』を通して感謝のメッセージが寄せられて、とてもうれしかったですね」森田さんに仕事を教わっているところだという川越南古谷店ドライ部門の山や本も社したばかり。腕には1年目の証あである「実習生」の腕章をつけている。特別支援学校在学中、いくつかの会社かしの職場見学をするうちに「自分は接客業が向いているのかもしれない」と思い、ヤオコーの職場実習を2年次に1回(2週間)、3年次には3回(3週間を2回、2週間を1回)経験した。広い店内で飲料品の補充をしながら商品を並べるのも好きだと感じたそうだ。入社後、楽しい仕事が始まったと思ったが、すぐにスピード不足であることを自覚。「特に夏は飲料品がすぐに品薄になることも多く、森田さんに『急がないと追いつかないよ』とせっつかれながらがんばりました」とふり返る。最近は森田さんから在庫整理なども学び、気を引き締める。森田さんが休みの日に一人で商品補充をしていると、店長や主任から「助かるよ」と声をかけてもらったのがうれしかったそうだ。「長く働いて、いろいろな仕事を覚えていきたいです」と語る。2年前から川越南古谷店の店長を務める赤あ司し正ま仁ひさんは、山本さんの採用にかかわった当時、「学校と連携しながら職場実習を何度も重ねたことで、働きぶりを十分に確認できました」とふり返る。入社して3カ月後に支援機関や学校の担当者と保護者を招いた反省会では、うれしい報告もあった。じつは、主任から「初任給が出たら親御さんに何かプレゼントするといいよ」と伝えていたが、その助言通り、山本さんは主任と相談してカステラを店で包装してもらい贈ったそうだ。「後日、山本さんに『お母さんにプレゼントを渡したの?』と聞くと『お母さん喜んで泣いてました』と答えてくれて、私までもらい泣きしたのも、よい思い出です」売場の真ん中あたりにある日用品コーナーで商品補充をしていたのは、2011年入社の東し海林広ひ明あさん(43歳)。就労移行支援事業所に通っていたときにヤオコーを紹介された。川越南古谷店ドライ部門住居担当として、最初は正社員の先輩とペアを組みながら仕事を覚えていったそうだ。 「接客業は自分には向いていないと思っていたのですが、がむしゃらにやっているうちに慣れました」と笑顔で語る。ただ、自分の考えを言葉にするのが苦手なため、インカム(職場内無線通話)の作業はむずかしいと上司に伝えてあるそうだ。現在は売場の商品管理を任され、陳列や発注、商品レイアウトも手がける。 「ヤオコーでは数年ごとに上司が異動しますが、新しい出会いは新鮮で楽しいです」川越南古谷店店長の赤司正仁さん補充のため商品を運ぶ山本さん川越南古谷店ドライ部門の山本大さん働く広場 2023.3

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