働く広場2023年3月号
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地方アビリンピック埼玉大会「小売物流ワーク」出場という東海林さん。日ごろ職場で心がけていることを聞くと、「自分の決まった仕事があっても、ほかの社員や、特にお客さまから頼まれたことは最優先にすることです」と答えてくれた。売場での東海林さんたちは、少しの合間でも、目についた商品棚の前出し(陳列手直し)作業をしていたのが印象的だった。東海林さんは「担当以外の売場でも、目につくと手が出ます」といい、森田さんは「休日に買い物で来店したときも、つい前出し作業をしてしまいます」と苦笑いしていた。ちなみに赤司さんによると、「前出し作業は、棚の前の方に寄せながら商品が見やすくなるよう並べるのですが、簡単なように見えて、積み方も含め時間内にこなすのは結構むずかしいんですよ」とのことだ。また、品出し作業は、倉庫で各商品を整理しながら売場に出すものを選び取り(ピッキング)、お客さんが行き来する売場の中をスムーズに運んでいき、棚に並べるという流れだが、随所で判断すべきポイントがあるそうだ。赤司さんは「こういう作業の一つひとつを成熟させていくのも、彼らの大きな達成感につながるのではないかと思います」と語る。田た中な麗れ菜なさん(22歳)。特別支援学校の か  るる7  ヤオコーでは、地方アビリンピック埼玉大会にも選手を送り出してきた。種目は、埼玉大会で独自に開催している「小売物流ワーク」。当機構が運営する国立職業リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)にも販売・物流ワークコースが設置されており、なじみ深いようだ。2021年の埼玉大会にヤオコー代表として出場したのは、2019年入社の2年次に1回、3年次にも2回の職場実習を経験し、「商品を棚にきれいに並べたことを評価してもらえたことで、入社を希望しました」という。川越南古谷店日配部門に配属され、パートナーさん(パート従業員)を含め約15人の同僚とともにパンや牛乳・卵などの商品を取り扱っている。「賞味期限が短いものが多く、棚に並べるときの置き方などに気を配っています」と田中さん。 「最初のころは、売場でお客さまに商品の場所を聞かれてもうまく伝えることができなくて苦労しましたが、3年経ったいまではずいぶん慣れて、お客さまにお礼をいわれることもあり、とてもやりがいを感じます」田中さんにアビリンピック埼玉大会への出場をすすめたのは、ヤオコー人事総務部人事担当主任の成な瀬せ陽は香かさんだ。人事総務部人事担当主任の成瀬陽香さん(左)との面談の様子消費期限を確認しながら品出しを行う田中さん商品の補充を行う東海林さん川越南古谷店日配部門の田中麗菜さん川越南古谷店ドライ部門住居担当の東海林広明さん働く広場 2023.3

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