働く広場2023年5月号
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POINT123 「やさしい心 じょうぶな体 る力」を教育理念として掲げる横浜国立大学教育学部附属特別支援学校(以下、「横国・特支」)は、知的障害のある児童生徒62人(小学部16人、中学部20人、高等部26人)に対し、42人の教職員が一貫した特別支援教育を提供している(2022︿令和4﹀年度)。校長の德と永な亜あ希き雄お先生(訪問時)は、横浜国立大学教授をがんば併任されている。副校長の羽は賀が晃あ代よ先生、主幹教諭の鈴す木き学ま先生(以前は進路指導担当)、進路指導担当の吉よ岡お敬あ信の先生、小学部教諭の宮み野の雄ゆ太た先生、高等部主事の中な武た愛あ先生のほか、おもな職員は、県や市の教育委員会の人事交流として派遣された方々で構成されている。今回の取材(2023年2月28日時点)では、特に進路指導担当の吉岡先生から、「知的障害のある高等部学生をどのようにして就職に結びつけているのか」という取組みについてお話をうかがうことができた。なぶ横国・特支は、「教育・研究・人材育成」を3本柱とし、1979(昭和54)年に知的障害のある子どもたちのための特別支援学校(当時は、附属養護学校)として開校された。横浜市営地下鉄の弘ぐ明み寺じ駅を降り、横国・特支の玄関まで徒歩で約5分。通学に便利な場所であり、同校専用の大きなグラウンドもある。玄関を入ると、進路指導担当の吉岡先生が笑顔で出迎えてくださった。校長室に案内され、最初に目に入ったのは、冒頭の「やさしい心 体 がんばる力」という横国・特支の教育理念である。校長の德永先生は、「この3つが、順番に校歌の1、2、3番の出だしの言葉になっています」と説明してくださった。知的障害のある子どもたちの、こうした「心・技・体」の充実は、教科指導を中心に、多彩な教育活動(校外宿泊学習・運動会・文化祭・修学旅行・校外学習など)を通じて育まれている。校長の德永先生は研究者でもあり、ご自身の研究テーマとして「特別支援教育における合理的配慮決定のための合意形成プロセス」や「小・中学校における合理的配慮決定プロセス」などが含まれている。文部科学省科学研究費助成事業の主任研究者などを歴任され、横浜国立大学教授としての教育と人材育成にもたずじょうぶなょうはじめに教育・研究・人材育成という3本柱について働く広場 2023.5横浜国立大学教育学部附属特別支援学校校長の德永亜希雄先生進路指導担当の吉岡敬信先生校長室でお話をうかがった教室の中は明るく風通しがよい  くがいけかやうしかきぶずき 21特別支援教育はキャリア形成の基本企業就労を含めた多彩な進路選択を進路指導は「知る」、「やってみる」、「決める」の流れで

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