かお なずろ とま9IKABLEち切れるようがんばりたいです」。ちなみに2人とも、勤務する会社から国際大会に出場した第1号だそうで、競技当日にはそれぞれの会社の方が応援に駆けつけた。佐藤さんが、銀メダルと特別賞(※)をダブル受賞した。会場の出展ブースでは、各国の団体や企業が障害にかかわるさまざまな取組みを紹介。地元の児童や学生らも大勢見学に訪れ、終始にぎわっていた。競技会場にあらわれた日本のアビリンピックマスコットキャラクター「アビリス」が注目を集め、「キューティ!」と、周囲にはあっという間に人だかりができ、ひっきりなしに記念撮影が行われていた。日本ブースでは、アビリスの缶バッジやファイルケースなどが大好評だった。入口付近の広場では、スポーティな車いすやスケートボードを使ったデモンストレーションが行われ、見学者や子どもたちも試乗して盛り上がっていた。開催していたのは、フランスでフリースタイルチェアの開発を手がける団体「PRAT」。副代表の男性は「私たちはユーザー一人ひとりのニーズに沿った車いすの改造なども行っており、日本の電動車いすメーカーとも連携しています」と紹介してくれた。3面モニターと大きな運転台が目を引いていたのは、フランスにある物流関連の運転訓練センター「AFTRAL」のブース。実演紹介されていたのは、下半身不随などの身体障害のある人が大型車を運転するための技能確認や訓練などを行うシミュレーション設備。手だけで運転操作ができるよう改造された運転台で、さまざまな条件のもと、実際の運転感覚を体験できる。「私たちのセンターでは、トラック運転手が事故で障害を負っても再び働けるよう支援しています」と担当者が教えてくれた。支給された木材を使ったコンソールテーブルを5時間以内に製作。参加選手4人。2018年の第38回全国アビリンピック「木工」種目で、当時最年少15歳で金賞を受賞した深ふ見み尚な生きさん(神奈川県)は、障害者職業能力開発校から技術専門学校を経て家具づくりの会社に。今回は、普段あまり手がけない組みつぎの特殊加工を重点的に訓練してきたそうだ。競技後、「カンナの調子が悪く、鋸のややすりを総動員してなんとか時間内に仕上げました」と胸をなでおろし、結果、銀メダルを獲得した。支給された布で、ベルトや飾りがついた女性用のケープをつくる。競技時間は6時間。参加選手9人。穴あ水み洋ひ美みさん(山梨県)は車いすユーザーだが、足首を動かせるため自宅で縫製の仕事をしている。「山梨県から23年ぶりの出場ということで、県知事にも直接激励してもらいました。裁断が少し不安ですが、時間内に作品を仕上げることが目標です」の言葉通り、きれいな花の飾りつけをしたケープを仕上げた。山や田だ美み里ささん(東京都)は事務職だが、高校時代から続けていた洋服づくりの技を磨き、アビリンピックに挑戦してきた。競技中、母親は「本人は洋裁が大好きなので、この時間も幸せに感じていると思います」と見守っていた。競技後、隣のアゼルバイジャンの選手と笑顔で抱き合った山田さんは、SNSのアドレスも交換したそうだ。こぎり【日本ブース】【フリースタイルチェア】出展ブース【大型車の運転シミュレーション】〈家具/基礎(国内大会では木工)〉競技2日目(一部競技は2日間実施)〈洋裁(応用)〉働く広場 2023.6※特別賞:所属する代表団のなかで最も高い点数を獲得した出場者に授与される賞「家具(基礎)」深見尚生さん(神奈川県)「洋裁(応用)」穴水洋美さん(山梨県)「洋裁(応用)」山田美里さん(東京都)「大型車の運転シミュレーション」運転席を模した筐体が見える「フリースタイルチェア」の試乗体験を行う見学者「日本ブース」には、多くの見学者が訪れた
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