4 まとめ(3)同僚従業員の意識障害者従業員が職場から受けている配慮にア 00 ウ イ 対する認識障害者従業員が会社等の所属している組織から受けている配慮について、当てはまるものすべてに選択を求めた結果、「作業の負担を軽減するための配慮」(46・5%)が最も多く選択され、「職場内移動の負担を軽減するための配慮」(28・6%)、「業務遂行を容易にするための配慮」(24・0%)と続きました(図1)。 (2)イの各配慮項目のうち、「その他」を除くすべての配慮項目において「適切な配慮が提供されている」の選択率が80%以上であり、配慮が過剰、または不足しているとする回答は多くありませんでした。同僚従業員は、障害者従業員が受けている配慮をおおむね適切であると考えていることがうかがえます。障害者従業員と働くうえで課題に感じていることについて、当てはまるものすべてに選択を求めました。その結果「特になし」が64・9%であり、半数以上は課題を感じていないことが示されました。課題の内容では「困っている様子はみられるが、自分が何をすればよいかわからない」(14・8%)が最も多く選択されました。障害者従業員に対して提供したことのあるサポートについて、当てはまるものすべてに選択を求めました。その結果、「特に何もしていない」が43・7%であり、最も多く選択されました(図2)。一方で、半数以上の回答者が何らかのサポートを提供していることも示されました。サポート内容では、「障害のある方に声をかけている」(31・2%)が最も多く選択されました。また、サポートを行った理由については、サポートの内容による違いはあまり見られず、どのサポート内容においても、「サポートが必要だと思ったから」が最も多く選択されました。ポートの提供経験があったものの、4割は何もしていないという結果が示されました。そのため、サポートが必要な障害者従業員にサポートが届いていないことも考えられます。同僚従業員による障害者へのサポートを増やしていくためには、同僚従業員がサポートを提供しやすい条件、あるいはサポートを提供しようとする意志を持てるような条件を整備することが、支援者・企業担当者に求められることも指摘されています(※1)。今後は、これらがどのような条件であるかを明らかにすることも必要と考えられます。本調査研究では障害者従業員の状態像別の分析も行いました。詳しくは資料シリーズ№105「障害等により配慮が必要な従業員の上司・同僚の意識に関する研究」(※2)をご覧いただき、職場で障害者雇用の理解を促進する際の参考にしてください。アンケート調査からは、半数強の回答者にサまた、本稿では紹介しきれませんでしたが、 障害者従業員と働くうえでの課題 障害者従業員に提供するサポート働く広場 2023.6図2 障害者従業員に対して提供したことのあるサポート(複数回答)図1 障害者従業員が受けている配慮(複数回答)※2 「資料シリーズNo.105」 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/shiryou/shiryou105.html◇お問合せ先:研究企画部 企画調整室(TEL:043-297-9067 E-mail:kikakubu@jeed.go.jp)障害のある方に声をかけている障害のある方の話し相手になっている障害のある方の仕事に関してアドバイスをしている障害のある方を認めており、それを伝えている障害のある方の仕事を手伝っている障害のある方の相談にのっているその他特に何もしていない1.21031.218.116.314.814.712.643.720304050n=1,000作業の負担を軽減するための配慮職場内移動の負担を軽減するための配慮業務遂行を容易にするための配慮通院・体調等への配慮相談に関する配慮疲労やストレス等に対する配慮業務遂行を可能にするための配慮通勤に関する配慮集中しやすい環境にするための配慮その他28.624.023.515.915.314.914.65.81.9102030(%)n=1,00046.54050(%)27
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