働く広場2023年7月号
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鳥取県東と伯は郡にある「大だ山せ乳業農業協同組合」(以下、「大山乳業」)は、県内の酪農家から集めた生乳から、16牛乳や乳製品を製造しており、それらの商品は、鳥取県内はもとより、中国地方や近畿地方などでも販売されている。また、乳製品をふんだんに使用したスイーツやアイスクリームなども人気を博している。大山乳業では、障害のある職員9人(身体障害2人、知的障害5人、精神障害2人)が活躍中だ。発達障害のある佐さ藤と大た樹じさん(23歳)は、デザート工場で菓子類の製造にたずさわっている。取材時、工場では生クリーム入り大福の製造が行われており、佐藤さんは生クリームなどを包む「もち」などの加工と、包あん機への「あんこ」の補充を担当していた。補充が滞ると生産が止まってしまうため、ラインの流れを見ながら、作業を進めなくてはならない。生クリームの加工では、原料を計量し、かくはん機で生クリームを泡立てる。仕上げの際には、レシピ通りの泡立ち具合にするための微調整が必要だという。佐藤さんはほかにも、定期的に品質検査用のサンプル採取を行うなど、品質に直結する重要なポジションを担当している。上司の方に話を聞くと、「佐藤さんは向上心があり、新しいことにチャレンジする意欲が強いです。将来はライン全体をコントロールする『オペレーター』を任せたいと考えています。作業者の管理も含まれるので、コミュニケーション能力も求められます」と語ってくれた。佐藤さんも、「これまでできなかったことにチャレンジして、できるようになると楽しいです。まだコミュニケーションが苦手ですが、積極的に話しかけるように心がけています」と話す。佐藤さんのチャレンジは今後も続いてゆく。吸引後さらに粘着ローラーがけを行い、製造室内に異物を持ち込まないようにするアルコール製剤での除菌。決められた手順でていねいに行う大山乳業農業協同組合の牛乳・ヨーグルト工場。乳牛のオブジェが置かれている製造室への入室前に、衣服についた毛髪やホコリを吸引機で取り除く作業後には機器の隅々までブラシをかけるデザート課の佐藤大樹さん  ゅいう いん くう働く広場 2023.7

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