【プロジェクト実施上の工夫】【事例の紹介】「強み」の内容と活用上の留意点を復職時に会社の担当者と共有した事例者と振返りを行います。講習・ホームワークの詳細は図4の通りです。① 受講者や支援者が取り組みやすい回数・時間を設定② 受講者が理解しやすく親しみやすいようピクトグラムを用いた「強みカード」を使用③ ゲームや演習を多く導入④ ホームワークに取り組みやすくするためホームワークの様式を工夫これらの工夫により、自らの「強み」に気づきにくい発達障害者でも参加しやすくなることをねらいとしました。講習の中に取り入れたゲームの一部を紹介します。「他者の強み当てゲーム」(図5)です。このゲームは「強み」の講習③で実施します。他者の「強み」に注目することで、自らが選んだ「強み」以外へも目を向け、また、他者から「強み」を指摘されることで自らの新たな「強み」に気づくことを目的としています。休職者のAさんは、臨機応変な対応が苦手な * ど発達障害の特性を自覚し、復職に対して不安を感じていました。また休職前のエピソードから、仕事に一生懸命取り組むものの、予定通り進まないと焦りや不安につながっていたことが確認されました。SSPで特性を整理しナビゲーションブックを作成することとし、そこに、プロジェクトを通して確認できた「強み」を反映することにしました。Aさんはプロジェクトで、「情熱」、「尽力」、「集中」などの「強み」を抽出し、ナビゲーションブックには長所として「粘り強く作業を続けること」などを記載しました。み」の構成要素にも着目した助言を行いました。例えば、「尽力」という「強み」を発揮して一生懸命がんばっても予定通りに進まず疲れてしまったり、結果が伴わないときには、「強み」の構成要素のうち「活力感」があまりない状態といえます。そのようなときには、休息や周囲からの客観的な助言が必要であることを確認しました。また、このことは復職時に会社の担当者とも共有しました。れを会社担当者に伝えられたことにより、「復職への不安が少し軽減された」との感想を得ることができました。 かすための相談・支援ツールの開発」は、障害者職業総合センターホームページに掲載しています(★1)。また、冊子の配付を希望される場合は、障害者職業総合センター職業センターに直接ご連絡ください(★2)。そこで、復職に向けた不安の軽減のため、WAさんには、「強み」を発揮しているときの「強Aさんからは、自らの「強み」を見つけ、そ* * 支援マニュアル№22「発達障害者の強みを活* 「強み」の講習①「強み」とは?(60分)「強み」の講習②「強み」の発見と再認識(60分)ホームワーク「強みの観察」・ 自らの「強み」を見つける「強み」の講習③「強み」の活用とは?(60分)ホームワーク「強みの意図的活用:行動実験」★1 「支援マニュアルNo.22」は、https://www.nivr.jeed.go.jp/center/report/support22.htmlよりダウンロードできます。・ 「強み」とは何か?・ 「強み」の構成要素・ 「強み」を認識し活用することの効果・ リフレーミングとは?・ リフレーミング・ゲーム・ 「強み発見チェックリスト」・ 「強み」の構成要素のチェック・ ホームワーク「強みの観察」説明・ 「強み」の講習②で抽出した自らの「強み」の観察・ 表れていると感じた場面、行動、結果、感情を記録・ 1週間・ ホームワーク「強みの観察」の感想共有・ 「強み」を様々な視点からとらえる・ 「強み」の活用に向けて・ ホームワーク「強みの意図的活用:行動実験」説明・ 自らの「強み」を意図的に活用する・ 意図的に活用した場面を記録用紙に記録する★2 障害者職業総合センター職業センター TEL:043-297-9043 https://www.nivr.jeed.go.jp/center/center.html図4 講習・ホームワークの詳細図5 他者の強み当てゲーム目的・ 「強み」に関する具体的なイメージを持つ・ 「強み」を認識し活用することの効果、メリットを理解する・ リフレーミングの方法を理解し、物事のポジティブな側面を見つけやすくする・ 「強み発見チェックリスト」を使い、自らに該当する「強み」を認識する・ 自らが選んだ「強み」を構成要素(3つの側面)から理解する・ 様々な視点から自分の「強み」に対する理解を深める・ 「強み」の活用に関する留意点を理解する・ 「強み」を活用する経験を積む内容期間・ 1週間・ 必要に応じて継続的に実施働く広場 2023.729
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