働く広場2023年8月号
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慎■介■さん(36歳)は、入社19年目のベテラン。かぎら長野県茅■野■市にある「合資会社親■湯■温泉」が経営する「創業大正十五年蓼■科■親湯温泉」は、1926(大正15)年創業の歴史ある温泉旅館だ。以前は慢性的な人手不足に悩んでいたが、いまは、知的障害や精神障害のある社員4人が客室や共用部の清掃業務などで活躍し、老舗旅館を支えている。客室の清掃やベッドメイキングなどを担当する北■澤■れた時間のなかで、忘れ物のチェック、ごみの回収、グラスなどの交換、掃除機がけと、スピーディーに作業を進めていく。北澤さんは「ほかのスタッフの邪魔にならないように、周りの動きをよく見て仕事を進めます」という。客室清掃で肝となるのが「ベッドメイキング」だ。手際よく寝具を整え、しわひとつないベッドに仕上げる。北澤さんに仕事のやりがいをたずねると、「できる仕事が増えていろいろな仕事を覚えることができるから、嫌になりません」と教えてくれた。蓼科ゆかりの文人らの書籍をはじめとする約3万冊の蔵書が並ぶラウンジで、モップがけをしていたのは、入社6年目の原■明■秀■さん(48歳)。このラウンジは旅館の顔ともいえる場所であり、ていねいに磨きあげられた床は光り輝いていた。原さんは、共用部の清掃以外にも、シーツやタオル、館内着などのリネン類の回収も担当している。「リネン回収では、タオルや衣類などをきちんと種類ごとに仕分け、回収用の袋に入れます。作業の時間配分を考え、自分のペースをつくるように気をつけています」と話す。原さんは旅館で働きたいとの思いがあり、その念願がかなった職場だ。体調に不安がある日は、体調に合わせて勤務時間を短縮するなどの配慮を受けており、「とても働きやすい職場です」と話してくれた。  ■■■  ■■ ■■ ■■■北澤慎介さん(左)、原明秀さん(右)朝礼の一コマ。担当する部屋番号、連絡事項のメモをとる北澤さんと原さん創業大正十五年 蓼科 親湯温泉働く広場 2023.816

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