働く広場2023年9月号
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特に都市部の店舗は人材不足が顕著なため、その困り感は大きいものだった。F&LCサポートの清掃チームはその「困り感」を解決する「救世主」となっている。 「店舗全体が明るくなった」、「安全衛生スコアが向上した」、「お客さまからほめられた」など、F&LCサポートが清掃を担当している店舗の店長、スタッフたちからは大歓迎されている。店舗運営部門の社員たちからは「全店の清掃をF&LCサポートでやってほしい」といわれるほどなのだそう。 「同僚がいる環境、困ったことをいつでも相談できる環境というのは特例子会社ならではのメリットですよね。会社としては、店舗では受入れ困難な方にも就業の機会がつくれ、いわゆる重度の障がいのある方にも活躍してもらえる環境が整えられたことはとても意義を感じています」と荒木さん。特例子会社での障害者雇用を進めていきながら、店舗での障害者雇用もこれまで通り積極的に進めていく予定だ。 「ダイバーシティ&インクルージョンのスタンスに立てば、障がいのあるスタッフと障がいのないスタッフが同じ場所で一緒に仕事をしていくことが本来あるべき姿ですから」と森嶋さんはいう。 「店舗ではオペレーションも変化していくので、障がい者スタッフの業務の切り出しはどんどんブラッシュアップしていきたい。『これでいい』と決めつけず、つねに試行錯誤していくことが大事です」と荒木さん。 「定年まで働きたい人には、それが叶うように。また、力をつけて店舗で活躍するようになったり、清掃の仕事と店舗の仕事をダブルでやってもらったりすることもいいと思います。F&LCサポートのスタッフたちは、店舗の社員やスタッフたちととても仲よくやっています。店長たちからも、いつも声をかけられています。『あの店長の下で働いてみたい』と思うスタッフが生まれたら、店舗の仕事をやってもらってもよいなと思います」と笑顔で話す森嶋さんである。 「一方で、F&LCサポートだけで終わるのではなく、自分の成長のために働いてもらって、成長したら転職してもよいと思います。そんな環境も素敵ですよね」と荒木さん。     ●  今後F&LCサポートでは、都市型店舗の開店前清掃に加え、新規事業を展開していく計画がある。郊外型店舗での駐車場の清掃、植栽の植替えや手入れをする環境整備の事業が、そして本社ではシェアードサービス部門の立上げ準備が進んでいる。2024年度中には100人を超える障害のある人の採用を進めていく計画とのことだ。また将来的には、「特例子会社が   ポートしていけるように」とのビジョンも聞けた。今後の展開がますます楽しみだ。COMPANIES全体の障がい者雇用をサ●  ●     店舗と特例子会社で障害者雇用の可能性を広げる働く広場 2023.9トレーナーの育成を担当する近藤康永さん店舗の「救世主」となっている、F&LCサポートの清掃チーム清掃チームのトレーナーを務める河合寛さんスシロー難波アムザ店の開店前清掃を担当する西田健一さん25

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