1 2 就職する特別支援学校卒業生が増加キャリア教育・職業教育の推進改正障害者雇用促進法等の法的整備を背景に障害者の社会参加が進むなか、特別支援教育の現場でも、障害のある生徒の就職や職場定着を促進するための教育の充実に力が注がれています。ここでは、特別支援教育における就労支援の取組の現状について紹介します。特別支援学校の卒業生の進路として、直近10年間を概観すると、企業に就職する生徒が増加傾向にあります(図1)。背景としては、障害者を積極的に採用しようとする企業が増えていること等が考えられ、最近はそうした雇用ニーズに呼応して、企業就労も目ざした特別支援学校高等部を設ける学校も見られるようになりました。文部科学省においても、障害者の社会参加が進み続ける現状を踏まえ、障害者の就労支援に向けたキャリア教育・職業教育の充実に取り組んでいます。平成31年2月に公示された特別支援学校高等部学習指導要領では、キャリア教育・職業教育の充実を目ざして、次の点が示されています。●学校においては、キャリア教育及び職業教育を推進するために、生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等、学校や地域の実態等を考慮し、地域及び産業界や労働等の業務を行う関係機関との連携を図り、産業現場等における長期間の実習を取り入れる等の就業体験活動の機会を積極的に設ける。●地域及び産業界や労働等の業務を行う関係機関の人々の協力を積極的に得るよう配慮する。キャリア教育及び職業教育に関して配慮すべき事項70%60%50%40%30%20%10%0%(令和4年3月卒業者)区分社会福祉施設等入所·通所者就職者等その他進学者・教育訓練機関等平成24平成254,420人25.0%働く広場 2023.9進学者卒業者399人(1.9%)21,191人平成26平成27教育訓練機関等337人(1.6%)平成28平成29平成30 計就職者等社会福祉施設等入所・通所者6,390人(30.2%)12,943人(61.1%)平成31令和2その他1,122人(5.3%)令和3令和4(各年3月時点) (学校基本調査より)6,390人30.2%※ 「就職者等」について、令和2年度の学校基本調査で就職状況の区分が細かく分類されたことから、令和2年度以降においては「就職者等」の数を、平成31年度以前は「就職者」の数を学校基本調査から抽出することとした図1 特別支援学校高等部(本科)卒業後の状況省 庁26文部科学省初等中等教育局 特別支援教育課特別支援教育における就労支援の取組
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