三鴨 Cさん 前回(※)に続き、「障害者就業・生活支援センターTタALANT」センター長の野の路じ和か之ゆさんにご紹介いただいた、企業の障害者雇用担当者による座談会の後編をお届けします。司会進行は、本誌編集委員の三み鴨か岐み子こさんです。障害者雇用担当者を担当は人の成長に向き合える喜びがある一方、多様な特性のある方々と、時間をかけて日々柔軟に向き合い続けることも必要であると感じました。みなさんは日々の業務でたいへんさを感じるとき、どのように乗り越えているのでしょうか。8人が月に1回のミーティングで情報共有し、悩んでいることがあれば、それについて話してもらい、みんなで考えるといったこともしています。また、障害のある社員だけではなく、支援にあたる担当者も外部の臨床心理士のカウンセリングを利用できるようになっています。人に悩みを聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になりますので、新しく担当として加わった社員にも、「悩むことがあれば早めに相談して、自分の気持ちのケアを大切にするように」と伝えています。前回のお話では、障害者雇用の弊社では、定着支援の担当者もちずきラン トAさん Bさん 弊社でも月に2回、臨床心理士に相談に来ていただいています。それ以外の日にもメールなどで相談できる体制になっています。また、担当者が孤立しないように、チームで定着支援を行うことも効果的だと考えています。チームでの取組みがむずかしい場合は、支援機関との連携体制を整えることも重要です。支援機関という第三者の立場の人が介在することで、当事者やご家族とのコミュニケーションがとりやすくなりますし、情報を共有して支援に活かすことができます。これまでに、精神的にも支えていただく機会がたくさんありました。特に、障害のある社員を雇用し始めて数年間は、支援機関との連携が非常に重要になると思います。障害者雇用担当者と当事者の方の信頼関係が構築できるまでには時間もかかりますし、はじめはコミュニケーションがスムーズに進まない場合もあります。支援機関を介在させることで、互いの理解が進みやすくなります。また、弊社では、過去の雇用事例や反省点の多かった事例などの経験から、現在の状況にどのように対応したらよいかを担当者同士で検討するミーティングを、週に1時間ほど設けています。精神障害のある社員が多いのですが、業務に関しては会社が、私生活に関しては支援機関がサポートするというように、支える仕組みが必要※ 2023年9月号はこちらからご覧いただけます。https://www.jeed.go.jp/disability/data/works/book/hiroba_202309/index.html#page=12 グループ会社の業務サポートや施設運営などを行う特例子会社の事業所で、障害者雇用にたずさわり12年目。約100人の障害のある社員の定着支援を行っている。職場適応援助者(ジョブコーチ)の資格を持つ。 グループ会社の事務代行やメール室サービス、印刷業務などを行う特例子会社で障害者雇用にたずさわり13年目。現在は管理部門の業務と兼務しながら、精神障害のある社員2人をサポートしている。ジョブコーチの資格を持つ。 グループ会社の事務代行やリラクゼーション業務、清掃業務などを行う特例子会社の障害者雇用担当者。親会社からの出向で担当となり4年目。定着支援リーダーとして採用活動や支援者の育成などを行う一方で、障害のある社員約10人を個別にサポートしている。働く広場 2023.10『働く広場』編集委員三鴨岐子(みかも みちこ) 名刺や冊子などのデザイン制作を手がける「有限会社まるみ」の取締役社長。 障害のある社員の雇用をきっかけに「中小企業の障害者雇用推進」に関する活動を精力的に行っている。精神保健福祉士。司会進行座談会参加者プロフィール第3回第3回 障害のある人の雇用と定着のために重要な役割を果たすのが、障害者雇用にかかわる担当者の方々。この連載では、担当者のみなさんがモチベーションを維持・アップしながら、スムーズに業務を行うためのヒントを探っていきます。 第3回は前回の座談会の続きとして、企業で障害者雇用を担当している方々に、業務の工夫の仕方、これから障害者雇用に取り組む事業者や担当者へのアドバイスなどをお話しいただきました。10AさんBさんCさん〜障害者雇用担当者座談会(後編)〜〜障害者雇用担当者座談会(後編)〜クローズクローズアップアップ障害者雇用担当者の障害者雇用担当者のモチベーションアップモチベーションアップ
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