働く広場2023年10月号
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役割をはっきりと分担するようにしています。りや、支援機関との連携など、「支援する側を支える存在」がポイントになりそうですね。みなさんは、いままで社外の勉強会や交流会などに参加されたことはありますか。参加しています。社外の人との交流の場でもあり、情報交換をさせていただいています。三鴨 Aさん Bさん 社内での情報共有の仕組みづく支援機関主催の勉強会によく弊社でも、情報収集の一環として参加しています。障害者雇用に取り組み始めて、右も左もわからない時期から交流会には頻繁に参加させてもらいました。います。コロナ禍でオンライン開催が増えたため、私の場合は参加しやすくなりました。また、最近は対面での開催が再開され、懇親会の場があると参加者同士で情報共有や悩み相談がしやすいと感じました。オンラインとリアルな対面のそれぞれにメリットがあると思います。Cさん 都合が合うときには参加して三鴨 三鴨 Aさん Bさん 業務のなかでは、精神的に負担のかかる場面も少なくありませんが、同じ思いを持つ人たちがいることで、心強さを感じますよね。このような機会を積極的に活用することで、障害者雇用担当者が悩みを抱え込まないようにできますから、話せる場を見つけることは重要なのかもしれません。最後に、これから障害者雇用に取り組む事業者や、はじめて障害者雇用の担当者となる方々へのアドバイスをお願いします。この仕事は、長く続ければ続けるほど経験値が上がって、力をつけられる仕事だと思います。支援する側も人として成長できる仕事だと思うので、そういうマインドで取り組めるとよいのではないかなと思います。障害のある社員に対し、人としてしっかりと向き合うことが大切だと思います。「こういう障害だから」、「こういう特性があるから」などと相手にフィルターをかけてしまって、その人自身にしっかりと向き合えなかった失敗を、私自身も過去に経験しています。また、「自分の理解と相手の理解はまったく違う」ということに気づくまで、かなりの時間がかかりました。現在は、Cさん 三鴨   相手の意見がいまひとつ理解できないようなときには、自分のなかで消化できるまで、必ず一晩は寝かせて考えるようにしています。「仕事」という以前に「人とかかわっている」ということも、いつも心に留めています。私も「障害は、“だれもが持っている個性”の一つ」で、「個性は一人ひとり違う」ことを胸に刻んでいます。また、弊社には、障害のある社員が働いている複数の事業所がありますが、日々の仕事の様子を把握しきれないことに、私自身も悩むことがあります。これから担当になる方は、障害のある人たちが実際に行う業務がどういうものかを、現場で一度、体験してみることから始めると、より現場の状況に寄り添った支援ができるのではないかと思います。みなさん、本日はお忙しいなか、ありがとうございました。精神的、肉体的な負担を感じる場合もある障害者雇用の担当という業務で、担当者自身を支援する仕組みがあることも大切だといえそうですね。*  *  次回は、これまでの3回の連載をふり返ったうえで、障害者雇用担当者のモチベーションを支える環境を、どのように整えたらよいのかについて、三鴨さんにお話しいただきます。*  *  *  知りたい!人と向き合うことで自分自身が成長できる 障害者雇用担当者が、社内で孤立したり、ストレスをため込んだりしないように、できることから始めましょう。●社内でのミーティング:障害者雇用担当者を複数人配置できる場合は、チームで支援する体制を築けるとよいでしょう。情報交換ができるだけではなく、仲間意識や支え合いの意識を持つことができるのも大きなメリットです。●カウンセリングの活用:障害者雇用担当者は、立場上、社内の人に仕事の悩みを相談しにくいことがあります。一人で抱え込まずに、専門的な知識や経験を持つ外部のカウンセラーに相談すると、気持ちの整理をしたり、解決策を見つけるのに役立つかもしれません。●支援機関との連携:支援機関と連携することで、支援に対するアドバイスがもらえたり、障害のある社員やその家族とのコミュニケーションがとりやすくなったりします。●社外の勉強会などへの参加:他社の事例やノウハウを学べるだけではなく、障害者雇用担当者同士がつながりを持つことで、悩みの相談や情報交換をすることができます。 働く広場 2023.10ストレスを ためないための アイデア11

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