働く広場2023年10月号
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 「障害者雇用納付金制度に基づく助成金」は、事業主等が障害者の雇用にあたって、施設・設備の整備や適切な雇用管理のための特別な措置を行う場合に、予算の範囲内で助成金を支給することで、一時的な経済的負担を軽くし、障害者の雇用の促進や継続を図ることを目的としています。 今回は、これらの助成金を効果的に活用した事例を紹介します。 身体障害者(運動機能・移動機能障害2級)のTさんは、A社の製造部にパソコン入力業務の担当として採用されました。Tさんは杖や車いすを使用するため、自動車で通勤していましたが、A社の駐車場は砂利で段差があるため、乗り降りや移動が困難でした。また、事務所やトイレのドアが開き戸だったため、入退室も一人では困難な状況でした。さらに、トイレに手すりがなかったため使用時に不安を感じていました。 そこでA社は、Tさんが使用する駐車場部分の舗装・段差解消工事を行い、事務所とトイレのドアをスライド式に改修しました。また、トイレに手すりを設置しました。 その結果、Tさんは通勤および事務所内の移動が一人でできるようになり、円滑に勤務できるようになりました。 聴覚障害者のKさんは事務職として勤務しており、上司や同僚とは筆談でやりとりしながら業務を行っています。しかし、週1回のミーティングでは口頭で協議や指示が行われるため、配付資料以外の内容が理解できず、業務に支障をきたしていました。 そこで手話通訳者にミーティングに同席してもらい、通訳してもらうことで内容を理解し、業務を円滑に進めることができるようになりました。また、社内で開催する手話勉強会の講師として手話通訳者に来てもらい、筆談以外でもコミュニケーションがとれるよう会社全体で手話への理解を進めています。〜高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)からのお知らせ〜働く広場 2023.10事例1事例2〜 車いすの従業員の負担を軽減するための〜 聴覚障害者のための手話通訳者の委嘱〜附帯施設の整備〜JEED インフォメーション12【障害者作業施設設置等助成金(第1種作業施設設置等助成金)】【障害者介助等助成金(手話通訳・要約筆記等担当者の委嘱助成金)】「障害者雇用納付金制度に基づく各種助成金」の活用事例

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