働く広場2023年10月号
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青森県青森市に本社を置く「有限会社ローズリー資源」では、青森市内の一般廃棄物収集運搬業と、産業廃棄物収集運搬(青森県・秋田県・岩手県・宮城県)、中間処理、処分業を手がけており、廃棄物をリサイクルし価値ある資源として素材別のリサイクルに再活用している。1996(平成8)年の会社設立当初から障害のある人とともに働く環境を整え、地域と連携した自立支援職場体験作業の受入れなどを行っており、障害のある人がリサイクルの現場において欠かすことのできない人材として活躍している。今年1月には、青森県で2例目となる「もにす認定制度」(障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度)の認定を受けた。身体障害のある田た嶋じ薫かさんは、統括部長を務めており、労務管理のほか、油圧ショベルを使用した廃棄物の分別作業などを行っている。田嶋さんは「従業員のシフトを考え、うまく業務が回ると達成感があります」と話す。また、聴覚障害のある三み上か司つさんは、フォークリフトやプレス機などを駆使してリサイクル作業にあたっている。三上さんに事故防止対策についてたずねると、「フォークリフト運転時には前後左右をしっかり確認、安全確保をしています」と教えてくれた。同社では、就労支援事業所と業務委託契約を締結し、施設外就労として知的障害、精神障害のある利用者が、リサイクル作業に参加している。彼らは、廃棄物として回収された電線の被膜を剥き銅線を取り出す作業、精密機器製造工場から排出された廃棄物から資源物を取り出す作業、プラスチックトレイを砕いてリサイクル素材とする作業などを行っており、資源循環のにない手となっている。2020(令和2)年には、青森県の支援を受けて作業マニュアルの作成を行った。このマニュアルは障害の有無に関係なく、「だれにでもわかりやすい」と評判だ。同社では今後も障害者のみならず、女性や高齢者、刑務所出所者などが働きやすい職場環境をつくり、積極的に雇用を続けていく予定だという。おるかさ油圧ショベルを使い、廃棄物を素材ごとに仕分ける田嶋薫さん田嶋さんは統括部長を務めており、労務管理などを担当している  み ま 働く広場 2023.1016

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