難■■崖■■富■士■山■■(きぼう福祉園)画材:紙、鉛筆、ボールペン、マーカー/サイズ:520mm × 718mm 協力:まちごと美術館 cotocoto 一見、淡彩の風景画のようだが、よく見るとびっしりと線が描き込まれている。そして、絵の隅には“スタート”と“ゴール”との文字がある。絵全体が迷路として描かれているのだ。小学校5年生のとき、友人が迷路を描いているのを見て「自分もできるのでは?」と描き始めた。 40色ほどのペンを常備し、0.3mm、0.5mmの太さを場所によって使い分ける。細すぎると途中で色がなくなるのが嫌で、この太さに落ち着いた。 40〜50日かけて描き込まれた線は、「富士山」の雄大さや風、自然の息吹を感じる。それは、その日の体調や気分で変化する筆圧によっても生まれる濃淡であり、石栗の息遣いを感じるようだ。 休日は散歩やDVD鑑賞をして過ごす。特にアクションや戦争映画を好む。石栗 仁之(いしぐり・ひろゆき) 1988(昭和63)年生まれ。新潟県新潟市在住。 「社会福祉法人いぶきサポート協会きぼう福祉園」の就労継続支援B型事業所に通所し、就労している。 独自の視点と感性を迷路で表現する。(文:まちごと美術館 c■■■■otocoto廣■■田■千■祐■貴■)〇経歴 2016年「アール・ブリュット展in長岡 -日々是好日 暮らしから生まれるもの-」(新潟県) 2016年「第15回障害者芸術文化祭〜美術展〜(絵画部門)」県知事賞受賞(新潟県)2017年「ライフワークイズム ―日本のアール・ブリュット―」(滋賀県)2017年「第3回Art to You!東北障がい者芸術公募展」(宮城県)招待作家として出展2018年「アール・ブリュット◎高岡chapter3 らしくとままで」(富山県)2018年「ここから3―障害・年齢・共生を考える5日間」(国立新美術館・東京都)2019年「いろんなみんなの展覧会 たわわに、実る。」(岐阜県)石栗 仁之
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