まじめすぎて体調を崩す「障碍特性勉強会」初めてのアビリンピック挑戦本も雅ま宣のさんは、「いまでは投入したナット住友さんたちの隣のスペースで、機械のモニター画面を見ながら、いくつも並んだボタンを押していたのは、製造部品質保証課品質管理係に所属する入社5年目の三み木き裕ゆ介すさん(22歳)。徳島県立みなと高等学園在学時、最初は自衛隊入隊志望だったが、むずかしいとわかり断念。代わりに「少しでも人の役に立つようなものづくりがしたい」と思っていたところ、先生が西精工をすすめてくれたそうだ。担当は画像検査で、ナットに余計なバリやキズなど不具合がないか自動確認する機械を操作する。職場実習で、自分が趣味でつくるプラモデルに西精工のナットが使われていることを知った三木さんは、「自分もキズや汚れのついたナットは使いたくないので、徹底的によい製品になるよう努力したいです」と話す。製造部品質保証課品質管理係班長の栗くが詰まるなどのトラブルが起きても、冷静に対処してくれます。つい隠したくなるような小さなミスが出たときに、逐一報告してくれるのも信頼できるところです」と評価する。ただ三木さんはまじめすぎるあまり、たまに体調を崩すこともあるそうだ。 りさりと き うね うけ 「本人の様子を見ながら、『今日はこのぐらいの量で十分やし、無理せんで大丈夫やから』などと声がけをしています。余計なプレッシャーや焦りが体調に響かないよう、『このぐらいでいい』という気持ちをコントロールできれば、同じ仕事量でも心身への負担がかなり違ってくると思います」三木さんは「失敗したときも、周囲から責められるのではなく、しっかり注意してもらえるのがありがたいです。よく見てくれていると感じます」と語っていた。障碍のある従業員の配属先などでは、渡辺さんや藤原さんが中心となって障碍者雇用にかかわる知識を深める「障碍特性勉強会」も行っている。住友さんが働く製品管理係では、自主的に毎月20数人のメンバーで勉強会を続けているそうだ。仕切り役は林は千ち秋あさん。率先して取り組むようになったのは「一緒に働く以上は、1人の戦力として成長やししてほしい、仕事をしっかり覚えていってほしいと思っていました。そのためには、私たちも住友さんを理解しないといけないと考えたからです」という。 「実際に一緒に働き出すと、よほどの理由がないかぎり休まず、一所懸命に仕事に取り組む住友さんの姿勢に、周りの人たちもよい刺激を受けています」林さんは毎回、本誌などを参考にして資料をつくり、勉強会で用いている。事例などに触れ「私たちの職場だったら何ができるだろうか」などと話し合うそうだ。参加している田中さんは、「住友さんが安全に働きやすい職場は、当然ほかの従業員にとっても働きやすく、職場環境全体の向上につながっていると実感します」と効果を語る。日ごろから現場を巡回している藤原さんも、「従業員同士が『ここはつまずきやすくて危ないね』、『同じミスが出るから、機械の置き方を変えてみようか』と話しながら工夫を重ねている様子をよく見かけます。自分たちで仕事を進める形が習慣になっているのも、勉強会の成果だと感じます」という。最後に紹介したいのは、2020年入社の峰み祐ゆ紀きさん(22歳)。総務部総務課働く広場 2023.11三木さんの指導にあたる製造部品質保証課班長の栗本雅宣さん三木さんは、品質管理係として画像検査を担当している製造部品質保証課で働く三木裕介さん製品管理係チームで行われた「障碍特性勉強会」の様子(写真提供:西精工株式会社)12
元のページ ../index.html#14