茨城県土浦市にある「栗田アルミ工業株式会社」。16アルミ部品の鋳■造■から機械加工まで一貫した生産を手がけており、特に高精度を要求される自動車精密部品には高い実績がある。そして同社は、長年にわたり障害者雇用に取り組んできた。現在、3工場において知的障害や聴覚障害、体幹機能障害などのある社員10人が、「ものづくり」の現場において活躍している。聴覚障害のある柳■澤■寿■光■さん(40歳)もその一人で、入社して23年目。製造部鋳造課において金型の整備を担当している。柳澤さんの作業は製品の精度につながる重要な工程だ。職場でのコミュニケーションは、身ぶり手ぶりや筆談でとり、作業のミスを防いでいる。製造部素材加工課では、知的障害のある社員3人が働いている。入社20年目の井■上■重■男■さん(41歳)は、鋳造された中空部品内の砂■中■子■を、ブラスト装置を使って取り出す「砂落とし」を担当している。作業の注意点をたずねると、「安全第一で作業しています。また、打痕を見逃さないように注意しています」と教えてくれた。入社16年目の武■井■恒■夫■さん(42歳)は、ショットブラスト装置を使って、部品のバリ取り作業を担当している。「仕事は楽しいです。定年まで働き続けたいです」と話す。入社4年目の追■平■準■さん(26歳)は、出荷準備を担当。「いまの部署に来て2年目です。覚えることも多く、メモを取ることを心がけています。メモを見返してもわからないときは、同じ部署のベテラン社員に聞いてミスをしないようにしています」という。障害のある社員が、ものづくりの現場を支える貴重な人材となっている同社では、2023(令和5)年3月に、「障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度」(もにす認定制度)の認定を受けた。今後も積極的に障害者雇用を続けていくという。■■■■■■働く広場 2023.11 ■■ ■■■■■■■ ■■■ ■入社23年目の柳澤寿光さん金型の組立てを行う柳澤さん。一つひとつ正確な作業が求められる
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