働く広場2023年11月号
24/36

3.人材不足と外国人スタッフ1.初めての採用者向山さん・串間さん 急速な事業拡充によりスタッフ数が増大してきたことから、障害者雇用率の達成に向けた障害のあるスタッフの確保は、つねに課題となっています。柳本さんは、﹁こうしたたいへんなことにこそチャレンジして、他社のできないことに取り組んでいくことが当社の企業姿勢である﹂ことを強調されます。このような企業風土の背景には、将来  しま   社では外国人スタッフと障害のあるス的な人材不足を見越して早い時期から、ベトナム、中国などから多くの実習生を受け入れてきたことがあります。現在もます。生活習慣のまったく異なる若者が一人で来日して寮生活をするとなると、買い物の同行や地域の人とのトラブル対応など、仕事以外のことも面倒を見ることが不可欠になります。この親代わりのような世話を当然のこととして受け入れるにつれて、障害のある人に対しても生活全般に向けた配慮をすることの重要性が認識されてきました。その意味で、同タッフによる、ダイバーシティ&インク菜なさん、ジョブコーチである串く間ま陵り子こさんルージョンが展開されています。こうした特徴のある同社における障害者雇用のいくつかの事例について、柳本さんと、同社の雇用支援に深くかかわってこられた、宮崎障害者職業センターの障害者職業カウンセラーである向む山や玲れ緒おの3人にうかがいました。方(Aさん)は、知的障害と身体障害がありました。普通高校を卒業後に一般企業に就職されたのですが、対人関係の不調で3カ月で退職。その後の対応をハローワークと障害者就業・生活支援センターがにない、それらの紹介で当障害者職業センターが、ジョブコーチの支援により連携しました。Aさんが地元の出身者で、社長も知っていたことから、採用に至りました。入社以来、会社の成長とともに工場が増設されるにともなって、その都度、A最初に採用されたこうょうさんは異なる職場に配属され、次第にスキルアップしながら熟練工の域に達していきました。そして、ほとんどの生産工程に従事した唯一の人材として、将来が期待されていました。ところが、Aさんは最近になって15年近く勤務した同社を退職されました。その理由は、家族との関係をきっかけにメンタル不調となり、働き続けるモチベーションの低下や、アパートでの一人暮らしの負担もあって、グループホームの利用を検討しつつ、就労継続支援A型事業所の利用へと切り替えることになったた採用した障害のある人働く広場 2023.11宮崎障害者職業センター宮崎障害者職業センタージョブコーチの串間陵子さん宮崎障害者職業センター障害者職業カウンセラーの向山玲緒菜さん80人あまりの外国人スタッフが働いてい22

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る