2.長期の勤続者向山さん・串間さん 柳本さん 3.正社員への登用向山さん・串間さん めです。ここに至るまでの障害者就業・生活支援センターと当障害者職業センターとの連携は、非常に緻ち密みに行われています。家族関係に関する相談を受けた直後にAさんがアパート契約を先行したこともあって、急き遽き、障害福祉サービスを多面的に活用して生活支援の全体を組み直しました。また、不安定な感情への対応もあわせて行いながら、支援の共同作業が続いています。何よりも出勤が不安定になった際も、会社はつねにあたたかく見守ってくれていたことが、自分の将来をじっくり考えてみることにつながったと思います。Aさんは最初に採用した障害者で、私もまったくの未経験でしたので対応の仕方もわからずとまどいました。当初Aさんはネガティブな状態にあり、他人と目を合わせることもできませんでした。串間さんと緻密な情報交換をしながら、日報への記載と報告を求めてからは、次第に自発的に意見を述べるようになり、友だちの輪も広がっていきました。できる仕事を全工程のなかから探し出し柳本さん ゅうて配属させていくなかで、次第にスキルアップしていきました。メンタル不調ということで退職しましたが、串間さんにその背景をうかがいながら、回復時にはいつでも復職を受け入れることを本人に伝えてあります。知的障害のある方(Bさん)です。40代前半までいくつかの一般企業を転職、その間に結婚・離婚を経験しましたが、両親の深い理解ときめ細かい職場の支援を得ながら、入社後は部署を異動し複数の工程を経験して、現在も在職しています。Bさんは知的障害のある方ですが、気分の変調や発達障害の傾向もあります。コミュニケーションがむずかしくて、どの仕事に就いてもらうかをご両親との面談を重ねて検討し対応しました。仕事自体は的確にできるのですが、出勤の日時や勤務時間に拘こ泥でされず、いろいろなことに目移りし、頻繁なトイレの利用などで職場を離脱することがあります。そのため、安心して働けるようにトイレの近辺に配置したり、動き回る仕事を優ういょかくつ 現在60代の男性で先的に提供して本人の特性に対応しています。また、家族との相談を密に行い、家族にも本人の勤労に対する支援をしてもらっています。また、周りのスタッフにも、本人の特性を理解し対処していくように働きかけています。を紹介します。7年前に入社し現在29歳で、高機能自閉症と診断された方です。マルチメディアの専門学校を20歳で卒業した後、宮崎市内の就労移行支援事業所で訓練を受けながら、加藤えのきで実習をし、2016年の入社のタイミングで当障害者職業センターと連携してジョブコーチ支援の利用を開始されました。高い能力をお持ちですが、入社後は実際の仕事と自分の想いがかみ合わないことなどから、次第に落ち込んで体調不良に陥ってしまいました。ですが、同僚社員と仲よくなっていろいろと示唆を受けていくうちに、自信を取り戻し始め、さまざまな部署への異動を意欲的に経験しながら、ほかのスタッフの作業をカバーしたり指導も行ったりするようになっていきまし次に、日ひ髙だ拓た哉やさん働く広場 2023.11冷蔵室で出荷準備を行う日髙さん株式会社加藤えのきの出荷部門で働く日髙拓哉さん23
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