座談会をふり返って新任担当者のモチベーションアップのためには?―座談会の司会をされてどのようなことを感じましたか?―読者のなかには、障害者雇用にはじめて取り組む企業や、担当者になったばかりで不安に感じている方もいると思います。新任担当者がモチベーションを維持し続けるために重要なことはありますか?当連載の第2回と第3回では、企業の障害者雇用担当者のみなさんに、業務の工夫の仕方ややりがいなどについて、座談会形式でお話をうかがいました。最終回は、座談会の司会進行を行った本誌編集委員の三み鴨か岐み子こさんに、座談会を通じて感じたことや、障害者雇用担当者へのアドバイスなどを語っていただきました。今回の座談会に参加してくださった障害者雇用担当者のみなさんは、障害者を多く雇用している「特例子会社」で働いており、障害者雇用に関して多くの知識や経験がありました。情熱を持ちながら障害者雇用の業務にあたっている姿勢に、とても感銘を受けました。特に印象深かったのは、みなさんが口をそろえて、「障害のある人と向き合い、寄り添う」ことの重要性を強調していたことです。障害のある社員、ともに働く仲間が、ハンディキャップを乗り越えて業務を遂行していくには、少なからず障壁があります。一人ひとりと時間をかけて向き合って人間関係を構築し、その人たちが安心して働き続けられるようにサポートすることが求められます。障害者雇用担当者に求められることの一つとして、障害のある人に対しての「理解」と「共感」が欠かせない要素だと感じました。私からできるアドバイスは、まずは、「障害のある人に興味を持つことから始めてほしい」ということです。障害者雇用を実現するための基礎的なノウハウは、本誌でもお伝えしており、情報としても比較的集めやすいものだと思います。そういった情報を集めて実践することはとても大切ですが、一方で、単なるノウハウだけでは成り立たないのが障害のある社員とともに働く職場づくりです。障害のある社員一人ひとりに目を配り、時間をかけて向き合い続けることは、知識を得たからといって簡単にできることではありません。「障害者雇用に取り組む意義は何か」が腑に落ちていないと、モチベーションを維持しきれないこともあると思います。それには、やはり、障害のある人に もち ないと思います。「障害のある人たち対しての「理解」と「共感」が欠かせの生きづらさとはどのようなものか」、「障害のある人たちは、どのような困りごとを持っているのか」など、障害のある人が置かれている立場を少しでも理解できるように、普段の生活のなかでも、アンテナを張っていただくとよいと思います。障害のある人のことを知る手段は、書籍や映画、インターネットなどをはじめ、さまざまな場にあります。支援機関などで行われている交流会に参加して、ほかの企業の障害者雇用担当者とつながることで、その人たちがどのような想いで障害のある社員にかかわり、業務にあたっているのか、話を聞いてみるのもよいでしょ働く広場 2023.11『働く広場』編集委員三鴨岐子(みかも みちこ) 名刺や冊子などのデザイン制作を手がける「有限会社まるみ」の取締役社長。 障害のある社員の雇用をきっかけに「中小企業の障害者雇用推進」に関する活動を精力的に行っている。精神保健福祉士。26最終回最終回 障害のある人の雇用と定着のために重要な役割を果たすのが、障害者雇用にかかわる担当者の方々。この連載では、担当者のみなさんがモチベーションを維持・アップしながら、スムーズに業務を行うためのヒントを探っていきます。 最終回は、これまでの連載をふり返りながら、障害者雇用担当者のモチベーションアップのポイントについて、三鴨岐子さんにお話をうかがいました。クローズクローズアップアップ〜障害のある人と向き合い、ともに成長する〜〜障害のある人と向き合い、ともに成長する〜障害者雇用担当者の障害者雇用担当者のモチベーションアップモチベーションアップ
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