働く広場2023年11月号
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――今後の抱負について教えてください。中川――最後に、アビリンピック出場を考えている人へのメッセージを。中川 もっと多くの人たちがアビリンピックに興味や希望を持ってかかわってくれるよう、自分ができることを考えています。特に歯科技工種目に今後もどんどん出場してほしいです。母校の現・筑波大学附属聴覚特別支援学校の歯科技工科は、今年度からの新入生の募集を停止しました。一方で、いまはさまざまな機器や通訳者の助けを借りつつ、聴覚障害があっても通常の専門学校などで自由に学べる環境が整ってきています。私は母校の歯科技工士ОB会の役員を務めていますが、いまは専門学校に進んだ後輩たちをバックアップできる体制づくりに向けて動いています。手話については昨年、地元の手話サークルで   5講師を務めました。最近はドラマなどの影響もあって、手話に関心を持つ人が増えているのはうれしいですね。2025年には日本で初めての開催となる「第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025」が予定されているので、さらに手話を広める機会になると期待しています。通して「挑戦を楽しむ」ことを覚えました。挑戦には悩みがつきもの、人生にも悩みはつきもの。そして悩みは人間を大きくする力があると考えます。挑戦すること自体が楽しいと思えるようになれば、人生も絶対に楽しくなるはずです。だれにとっても人生は一度きり、アビリンピックという挑戦を、ぜひみなさんも楽しんでください。私はこれまでの仕事やアビリンピックを障害があっても自由に学べる環境に株式会社中田デンタル・センター取締役 技術部長田川哲成さん次回の「メダリストを訪ねて」は、2024年2月号に掲載予定です。お楽しみに‼働く広場 2023.11職場の方より岸田文雄内閣総理大臣から表彰を受けた(※3) 私自身、聴覚障害のある方と一緒に働くのは初めてでしたが、コミュニケーションは口話や携帯メモを使った筆談などで問題なく取れています。中川さんは技術力に加えて集中力が高く、職場では高難度の歯科技工力が問われる仕事も任せています。国際アビリンピックでの金賞受賞は業界内でも広く知れわたり、顧客の歯科医院から「ぜひ中川さんに」という依頼もきました。弊社は指名制ではないのですが、うれしい反響です。これからも社内外でさまざまな活躍をしてくれると思います。2023年6月26日には、第10回国際アビリンピックで中川さんが獲得した金メダル※3 本誌2023年9月号でご紹介しています。https://www.jeed.go.jp/disability/data/works/book/hiroba_202309/index.html#page=33ハプニングを乗り越え、金メダルを手にした〜第10回国際アビリンピック〜メダリスト

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