を機に興味がわきました」というBさんだが、最初は業務スケジュールを覚えるのに苦労して不安を抱えたこともあった。面談で呼子さんたちに「だれにでも相談してください」とうながされ、自分から質問できるようになったそうだ。上司で5階病棟介護主任の伊い藤と隆たさんは、「配膳の片づけや車いすの清掃などの周辺業務を行ってくれるので、私たちは本来の介護業務に力を注げられ助かっています。彼は、細かいところにも気づいて報告してくれますし、学ぶ姿勢もよいですね」と評価する。Bさんは介護福祉士を目ざしており、先日、介護職員初任者研修に合格。次の実務者研修を目ざし、伊藤さんたちにアドバイスをもらいながら勉強中だ。医事課に配属されているCさん(21歳)は、「おじいちゃん、おばあちゃんと接するのが好きなので」と入職し4年目になる。事務補助や書類の受け渡し、病棟かし内のごみ回収や外来フロアの待合室のいすの除菌作業などを担当している。 「いろいろな業務がありますが、困ったときは周りの職員さんに声をかけ助けてもらっています。仲西さんは、いつも安心させてくれる、信頼できる方です」夢は介護福祉士。「考え過ぎるところがあるので、うまく自分をコントロールできるようになりたいです」と語るCさんについて、仲西さんは「彼女は人間関係で悩むことがありますが、これまでいくつか異動してきた結果として、部署をまたいで多様な業務をこなせるようになりました」と見守っている。病棟に隣接する老健センターの5階フ う うちず 8援学校の職場見学で、「ケアメイトさんロアで、シーツの交換作業をしていたのは入職2年目のDさん(19歳)。特別支たちが、周囲の患者さんや入居者さんを気遣いながら働く姿を見てかっこいいなあと。仕事をしながら人としても成長できそうだと感じました」とふり返る。そんな彼も今年は実習生に教える立場だ。 「一人ひとり伝わり方が違うので、なるべくていねいに説明しています。呼子さんに『教えるのが上手だね』といってもらえて自信もつきました」Dさんの上司で5階フロアの介護主任を務める水み野の宏こ一いさんも「利用者さんにこまやかに接していて信頼も厚いです。今後は後輩を指導しながら成長していってほしいですね」と激励する。博愛会がケアメイトという職種名をつくったのは2022年だ。経緯について呼子さんが説明してくれた。 「現場では○○さんと名前で呼びますが、全体では『障がい者雇用の方』と表現していました。するとある実習生から『学校で障害者という呼び方を受け入れるよういわれたが、本当は好きじゃないです』といわれました。将来だれかに仕事を聞かれたときも堂々と誇りを持っていえる呼び方にしようと案を募りました」すると、ある男性職員から「ケアメイト」と書かれたメモが届いた。「ケアは、ほかの人のためにしてあげたいという気持ち、メイトは仲間、私たちは職場のみなさんの支えになりたいという気持ちで働いています」との理由も添えられていた。すぐに会議を経て決定し、博愛会として公式に使うことになった。最近はほかの医療機関の担当者から、「うちでも“ケアこまやかに接するケアメイトという職種Bさんと打ち合わせを行う、5階病棟介護主任の伊藤隆さん(右)外来フロアで手すりの除菌作業を行うCさん働く広場 2023.12
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