働く広場2023年12月号
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第2章第3章 障害のある人に対する理解を深めるための基盤づくり社会参加へ向けた自立の基盤づくり○「障害者週間」(毎年12月3日〜9日)及び「各種の広報・啓発活動」○教育・福祉における取組○公共サービス従事者等に対する障害者理解の促進○特別支援教育の充実○障害のある子供に対する福祉の推進○障害のある人の雇用の場の拡大2022年度は天皇皇后両陛下の御臨席の下で「障害者週間」関係表彰式を実施。天皇陛下よりおことばを賜るとともに、岸田内閣総理大臣からおおむね5年に1度の障害者関係功労者表彰を含む3つの表彰制度の受賞者に対して表彰状を授与。このほか各種の週間・月間等の活動の中でも、障害のある人への理解を深めるための広報・啓発活動を展開した。教育や福祉の分野における発達障害者の支援に当たる教育関係者と福祉関係者が連携するに当たり、共通に身につけておくべき専門性について整理した初級者向けのモデル研修(eラーニング)動画集を独立行政法人国立特別支援教育総合研究所と国立障害者リハビリテーションセンターで運用する発達障害に関するポータルサイト「発達障害ナビポータル」で2022年4月より公開している。障害のある人が地域において安全に安心して生活していく上では、公務員を始め公共サービス従事者等が障害及び障害のある人について理解していることが重要であり、各種取組を行っている。警察では、新たに採用された警察職員に対する採用時教育の段階から、障害のある人とのコミュニケーション方法に係る研修や、有識者による講話等、障害のある人の特性への理解を深めるための取組を実施。法務省の人権擁護機関では、中央省庁等の職員を対象とした「人権に関する国家公務員等研修会」や、都道府県及び市区町村の人権啓発行政に携わる職員を対象とした「人権啓発指導者養成研修会」等を実施。障害のある子供については、その能力や可能性を最大限に伸ばし、自立や社会参加に必要な力を培うために個々の教育的ニーズに応じ、特別支援学校や小・中学校の特別支援学級、通級による指導、通常の学級における指導といった多様な学びの場において適切な指導・支援を行っている。また、障害のある児童生徒の教科書・教材を充実させる取組が行われており、2022年度に特別支援学校及び特別支援学級を含む全国全ての小・中学校等を対象として、英語等の学習者用デジタル教科書提供や普及促進を図る事業等を実施した。さらに、同年7月の「教育職員免許法施行規則」改正により特別支援教育を担う教師の専門性の向上を図ったほか、国の定める整備目標に到達していない公立小・中学校等の各学校設置者に対して、バリアフリー化の取組を加速するよう要請し、学校施設のバリアフリー化の推進等を行った。障害児保育の推進や放課後児童クラブにおける障害のある児童の受入促進に努めており、障害児受入施設数や障害児受入放課後児童クラブ数及び利用する児童数は増加傾向にある。2022年度は、障害のある児童が放課後児童クラブを適切に利用できるようにする支援として、職員が加配できるようにする補助の拡充などを行った。また、療育体制の整備では、2024年度から2026年度までを計画期間とする「第3期障害児福祉計画」において、児童発達支援センターを中核とした重層的な地域支援体制の構築などを内容とする基本方針を策定した。2022年の民間企業(常用雇用労働者数43・5人以上規模の企業:法定雇用率2・3%)が雇用している障害者の数(2022年6月1日現在、以下同じ)は61・4万人(前年同日59・8万人)で、19年連続で過去最高となり、雇用している障害者の割合は2・25%(前年同日2・20%)であった。また、国の機関(法定雇用率2・6%)に在職している障害者の割合、勤務している障害者数はそれぞれ2・85%、9・7千人で、全ての機関において法定雇用率を達成している。雇用の質の向上の推進や、多様な就労ニーズに対する支援を図る観点から、事業主が障害者の職業能力の開発等を行うことや、特に短い労働時間で働く精神障害者等について特例的に実雇用率に算定できるようにすること等を改正内容とする障害者雇用促進法の一部改正を含む「障害者総合支援法等一部改正法」が2022年12月に成立した。広報・啓発等の推進第1節障害のある子供の教育・育成に関する施策第2節雇用・就労の促進施策            働く広場 2023.1227

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