編集委員のひとこと■■■ ■ ミニコラム第30回近藤秀夫と樋口恵子』※今号の「編集委員が行く」(20〜25ページ)は金塚委員が執筆しています。ご一読ください。「働き続ける」を支える力当事者たちの現状とともに、発達障害の特性にマッチした職場環境、薬物療法の効果、就労支援の制度や社会復帰のトレーニングの活用法を解説。「止まらない仕事のミスと対人関係の問題」、「ADHDをめぐる誤解――職場でどう接するか」、「仕事とNeurodiversity」といったテーマで、本人・周囲にとって最適な就労への道を示す。新書判232ページ、1034円(税込)。『障がいを恵みとして、社会を創る東京家政大学人文学部教育福祉学科の教授を務める田■中■恵■美■子■さんが、『障がいを恵みとして、社会を創る 版した。近■藤■秀■夫■さんは16歳のときに事故で脊髄を損傷し、1964(昭和町田市職員になり「車いす公務員」と呼ばれながらケースワーカーとして地域を変革してきた。今年9月に逝去した妻の樋口恵子さんは、日本の自立生活運動のリーダーとして基礎を形成し、国政にも挑んだ。二人のライフ・ヒストリーとインタビューを題材に、戦後障害福祉と自立生活運動の歴史を描きつつ、二人の当事者活動を「ソーシャルワーク実践」と位置づけて、その今日的な意義を探っている。四六判320ページ、2750円(税込)。近藤秀夫と樋口恵子』(現代書館刊)を出今回の取材で「働き続けるためのポイント」を、あらためて確認することができた。まずは障害のある人、企業、地域、支援者の力をひとつにする必要がある。障害のある人は、障害・病状に対する理解や仕事をするうえでの配慮事項、得意なことなどを把握していることが、継続就労するための絶対的要件になる。企業は、障害者雇用の価値をどのように位置づけるかが重要であり、組織のなかで戦力化するための分岐点になる。障害のある人を〝人財〟として育てるには「仲間として認めてくれる同僚」、「評価してくれる上司」がいることで、孤立感からくる離職を防ぐことができる。そしてそれは自身の弱さを暴露できる環境であり、障害のある人に対し安心感を提供することになり、困ったときに迷いなく相談できる雰囲気をつくることになる。障害のある人に相談する力を私たちは求めるが、気軽に相談できる雰囲気がなければむずかしいと考える。そのためには、上司のコミュニケーション力とマネージメント力が問われることになる。今回のように、部署で初めて障害のある人を雇用するときは、現場に不安や戸惑いがあるのは当然である。それを払拭するために支援者の力が必要になる。支援者は、企業の文化を知り、キーパーソンの困りごとに対して具体的な「提案」をすることが求められる。障害のある人の仕事に対して「過度に負担のかかる仕事は避けた方がよい」といわれるが、この負担は決して量だけの問題ではなく、やりがいや精神状態をさしていることが多い。取材をさせていただいたお二人は時間をかけて業務範囲を広げ、その結果、ほかの従業員から認められる存在になり、それが従業員の意識変革につながった大きな要因である。これを契機に、さらなる多様な人財の受入れを経営戦略として進めていけるように感じた。NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク副理事・統括施設長金塚たかし39)年東京パラ五輪に車いすバスケットボール選手などとして出場。その後、マスコットキャラクターアビリンピック広島佐賀働く広場 2023.12に会場が異なります*は開催終了※日程や会場については、変更となる場合があります。地方アビリンピック検索312023年度地方アビリンピック開催予定1月広島県、佐賀県* 開催地によっては、開催日や種目ごと
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