働く広場2024年1月号
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 用紙の外側から中心に向かって、ペンでていねいに「L字のような形」を細かく描き続け、直線や丸などの一つの線にする。普通の線のようにも見えるが、独特な模様にも見える。おもな画材は水性サインペンで、色は青や紫などの寒色系が好きなようだ。 少し前までは点描でボコボコにした画用紙にL字を描いていたが、現在は色紙にペンで描いた作品を制作している。点描の用紙は、制作中に細かく手でちぎっていたころもあり、それを何故ちぎっていたのかはわからない。現在、点描の用紙は大切にテーブルの脇に置いてある。 施設では、箸の袋入れ作業をしているが、完成した箸袋はカゴにていねいに立てて陳列されている。どんなことにも直線にこだわり、それを感じられる作品をゆったり鑑賞していただきたい。 斎藤 誠(さいとう・まこと) 1983(昭和58)年生まれ。新潟県新潟市在住。2002(平成14)年4月から、「特定非営利活動法人新潟あさひの会 あさひ共同作業所」に通所し就労。 作業所での楽しみの一つは、昼食の日替わり弁当。千切りキャベツを1本1本、サラダのコーンを1粒1粒、素材の味をとことん吟味しながら食べていくのが誠流。食事時間をオーバーしてしまう日もあるが、そんな日こそインスピレーションが湧き出てくるようで筆が進む。大好きな唐揚げ効果もあるかもしれない。作品の数々は、こうしたさりげない日常から生まれてきている。 休日は、海に近い自宅に突然舞い込んできた姉妹猫、真っ白な“しろみ”とキジトラの“どらみ”とのんびりするのが彼のお気に入りの過ごし方である。(文:まちごと美術館 c(あさひ共同作業所)otocoto伊橋匠■保■■哉)■■■■■■■■画材:画用紙、水性サインペン サイズ:A4(297mm×210mm)協力:まちごと美術館 cotocoto無題斎藤 誠

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