働く広場2024年1月号
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青汁のケールを栽培農場でトラクター操作 「まず~い!もう一杯!」のキャッチフレーズで有名になった「青汁」を販売する「キューサイ株式会社」(本社・福岡県福岡市)。原材料となる緑黄色野菜ケールは、国内の契約農家や自社グループ農場で農薬・化学肥料を一切使用せずに栽培しているという。なかでも島根県益ま田だ市内の丘陵地帯にある自社グループ農地は、東京ドーム15個分に相当する70ヘクタールを誇る。近隣に位置する加工工場を含めて運営しているのは、1998(平成10)年設立の子会社「株式会社キューサイファーム島根」(以下、「キューサイファーム」)だ。現在、従業員70人のうち障害のある従    すおらちわぎ7業員は7人(身体障害1人、知的障害4人、精神障害2人)、障害者雇用率は11・2%(2023︿令和5﹀年6月1日現在)萩は・石い見み空港から車で約10分、標高80だという。農業を本業とする職場における、障害者雇用の取組みを紹介していきたい。mほどの丘陵地帯に広がるキューサイファームの市い原は農場。なだらかなアップダウンのある畑には、約3週間前に植えられたケールの苗がきれいに並んでいた。「今年は猛暑や少雨で生育にも影響がありました」と話すのは、営農課のチームリーダーを務める大お佐さ古こ薫かさん。この日は、カラスや害虫に食べられて育たなかった苗の場所に、代わりの苗を補植する作業を行っていた。 「まず全員で畑を見回って補植が必要な部分を確認しつつ、害虫がついている苗を見つけたら一つひとつ手作業で駆除おるしています。農薬・化学肥料不使用での栽培を徹底しているだけに人の手は欠かせません」キューサイファームの設立当初から、ほかの仕事を引退した男性や50代以上の主婦らがパート従業員として働いていたそうだが、いまでは77歳の従業員を筆頭に高齢化が進み、慢性的な人材不足が課題でもある。そんな背景もあり、この農場では2015年から障害のある従業員が働き始めたという。取材したこの日も、10数人の従業員にまじって作業していた、4人の障害のある従業員に話を聞いた。POINT123株式会社キューサイファーム島根の市原農場丘陵地帯に広がる、約3週間前に植えられたケールの苗営農課チームリーダーの大佐古薫さん畑を見回り害虫の駆除を行う働く広場 2024.1労災事故を機に障害者雇用の可能性を知り、就職面談会に参加障害者就業・生活支援センターなどと実習から定着まで連携個々の特性を見きわめ、農機操作や検査、清掃業務などで戦力化

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