働く広場2024年2月号
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――佐藤さんは、幼少期からパソコンに慣れ親しんでいたそうですね。佐藤 ――同じ職場の山川ゆかりさんは、実習時から佐藤さんの指導役を務めているそうですね。これまでの経緯について教えてください。山川 幼少期からパソコンに親しむ特別支援学校から初の実習生ていました。最初はゲームを楽しむ程度でしたが、小学校の授業でキーボードでのローマ字入力を教わるようになり、自宅でもどんどんパソコン入力に打ち込むようになりました。ソコンの授業があり、さらにワープロソフトや表計算ソフトを使いこなすようになりました。高等部3年次の1月に、いまの勤務先である「株式会社日立パワーソリューションズ」で1週間ぐらいの職場実習を受けました。いまも入力作業を担当しています。「今日中」とか「1週間以内」とか、たまに「すぐにお願い」と頼まれるときもあります。私はいつも「一度受けた仕事は最後までやり通す」ことを心に決めています。な生徒がいるので、職場実習として受け入れてみてほしい」と、会社に打診されたのがきっかけでした。特別支援学校からの実習生は初めてだったので、若干の戸惑いはありました。しかし、学校の先生からは「特に準備すべきことはない」といわれ、社員も自然体で接することができました。パソコン自体は幼稚園児のころからさわっ通っていた茨城県立勝か田た特別支援学校でもパ当時は学校側から「パソコン入力が得意当時ちょうど社内資料の電子化作業が始まり、※1 本誌2023年6月号で「第10回国際アビリンピック」を特集しています。https://www.jeed.go.jp/disability/data/works/202306.html  つ働く広場 2024.2さとう・しょうご1994(平成6)年、茨城県生まれ。発達障害がある。2013年、茨城県立勝田特別支援学校卒業、株式会社日立パワーソリューションズ(茨城県)入社、人事総務本部人財開発部人事勤労グループに所属。2020年、第40回全国アビリンピック(愛知県)の「ワード・プロセッサ」種目で金賞、2023年、第10回国際アビリンピックフランス・メッス大会の「英文ワープロ」種目で銀賞と特別賞を受賞。(株式会社日立パワーソリューションズ勤務)(文)豊浦美紀 (写真)官野貴 2023(令和5)年3月にフランスのメッス市で開催された「第10回国際アビリンピック」では、日本人選手8人がメダルを獲得した(※1)。 「メダリストを訪ねて」の第2回は、英文ワープロ種目で銀メダルとともに特別賞も受賞した佐■藤■■翔■■■悟■さん(■城県)と、職場で指導役を務めてきた山川ゆかりさんに、10年にわたるアビリンピックへの挑戦や今回の国際大会をふり返っていただいた。14第2回英文ワープロ種目銀メダリスト・特別賞受賞佐藤翔悟さん挑戦の10年「努力する大切さ」挑戦の10年「努力する大切さ」自分のものに自分のものにメダリスト〜第10回国際アビリンピック〜

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