――アビリンピックに初めて挑戦したのはいつですか。佐藤 山川 ――2回目の全国アビリンピックでは銀賞だったそうですね。佐藤 山川 佐藤 ――佐藤さんのパソコン入力スキルは、職場ではどう評価されていますか。山川 佐藤 在学時からアビリンピック挑戦外部講師による個別研修も速く正確に打つやってもらう仕事も多かったですね。実習時から佐藤さんはパソコン入力に慣れているのがよくわかり、安心して任せることができました。入社後も引き続き、電子化作業のほかに表計算ソフトを使ったデータ入力やアンケート調査のデータ入力・集計などを担当してもらっています。2012(平成24)年、特別支援学校高等部3年次でした。パソコンのキーボードを打つスピードが速かったようで、それを見た先生がすすめてくれました。学校代表として地方アビリンピックに出場して優勝し、2013年の第34回全国アビリンピック(千葉県)「ワード・プロセッサ」種目に出場することになりました。初めての全国アビリンピックは、残念ながら入賞できませんでした。私たち職場側は、佐藤さんから入社後に「アビリンピックの全国大会に出ることになりました」と聞いて、そのとき初めてアビリンピックの存在を知りました。入社初年度は地方アビリンピックに間に合わなかったのですが、翌年からは出場できるように職場でもサポートしました。2016年(山形県)で初めて銀賞をとりましたが、翌年の第37回全国アビリンピック(栃木県)では競技の課題内容がずいぶん変わったこともあり、銅賞になってしまいました。でも、その次の2018年の第38回全国アビリンピック(沖縄県)で、ふたたび銀賞を獲得することができました。大会前に職場で受けた個別研修が、とても勉強になりました。じつは以前から佐藤さんは「全国大会で金賞をとるのが目標」と話していたので、私たちも「彼のレベルアップのためにサポートできることはないか」と考えました。それで、第38回全国アビリンピック(沖縄県)に出場する前の3月に、私たち会社側が外部からパソコン専門の先生を招き、佐藤さんに個別の研修を受けてもらったのです。研修は平日の勤務時間3時間をあてて計6日間でした。先生に教えてもらった大事なポイントをノートにまとめて、自分で練習するときに復習し、アビリンピック会場にも持っていきました。いまもノートは持ち続けていて、注意点などを書き足しながら確認しています。大会は同種目で3回連続出場すると、一度お休みしなければなりませんので、その間は練習に励みました。アビリンピックの過去問題を打ち込んで印刷・保存するまでの競技内容をタイムで測り、内容が間違っていないか自分で確認をしていました。仕事の合間に練習させてもらいました。アビリンピック(愛知県)で、念願の金賞を受賞し、第10回国際アビリンピック日本代表に選ばれました。かされます。私たちもまったく及ばないようなスピードですから。本人は画像として文字を瞬時に記憶し、ブラインドタッチで文書を作成するので、日本語も英語も速いスピードで打てるのは、大きな強みだと思います。しかも書式や仕様を変えたり、画像や図形を挿入したりするスキルも高いので、応用がきいた文書も即座につくってくれます。そのため職場では、アビリンピック前の練習中にもかかわらず、「ちょっとお願い」と横から仕事を頼んでしまう社員もいましたね。職場になくてはならない戦力であることは間違いありません。章を打ちっぱなしにするのではなく、少し打ったら内容を確認し、次を打つというように心がけています。これは外部の先生に教えてもらっ2019年も挑戦したかったのですが、全国そうして2020(令和2)年の第40回全国入力スピードがとても速くて正確で、驚ミスをしないようにするために、長い文実習時から佐藤さんの指導役を務める山川ゆかりさん(右) 働く広場 2024.215
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