働く広場2024年2月号
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4 養よ正せサービスふり返りと対話を大切にした授業ズをふまえてどのようなものをつくるか、その際の配慮はどうするかなど、相手の身に立って考え、対応している。○観光案内他府県の小・中学校や特別支援学校からの依頼を受けて、修学旅行生の観光案内をしている。観光名所の由来や歴史上のエピソードについて説明するなど、各教科の内容について身につけた知識などを活かす場面として、またコミュニケーション力を高める場面として、学んだことを発揮している。○保育所での読み聞かせ地域の保育所で幼児に対する絵本の読み聞かせをしたり、遊びの活動を担当したり、その活動に使う道具づくりなどをしている。生徒たちは幼児にふり回されながらも相手に応じて行動することを学び、自閉スペクトラム症のあるコミュニケーションが苦手な生徒も、幼児の好みに応じた絵本の選択や喜んでもらえるような表現の仕方などを理解していく。○おかいもの便毎週水曜日の午後に、生協の移動販売           いう している。荷物を家まで届けるほか、そ車に帯同し、地域の方々の買い物支援をの間、地域の方々の世間話に応じるなど、コミュニケーション力を高める機会になっている。学校から離れた、高齢者が多く住む養正地区にあるサテライト施設(以下、「養正サテライト」)を拠点として、さまざまな機関や地域資源を活用した協働活動を展開している。○ようせい喫茶月曜日から金曜日まで10時に開店し、ドリンクのみのカフェを運営している。おもに地域の高齢者が利用しており、憩いの場となっている。生徒たちは案内、接客、厨房、レジの業務のほか、来店した高齢者の健康のために、ともにラジオ体操を行っている。○図書館運営養正サテライトは、元々は地域の学習施設であったため、たくさんの蔵書がある。月曜日から金曜日まで、受付、貸出し、返却作業などの図書館運営を行っている。○養正なかよしサロン地域の児童館が主催となり、毎月第二火曜日に幼児を対象に絵本の読み聞かせを行っている。東山サービスと同様に、幼児とのかかわりを通して生徒の成長が見られる。○健康体操教室地域の特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人養寿会が主催し、高齢者を対象として毎週金曜日に開催している。生徒たちは、運営、受付、片づけなどを行っている。○交流農園・清掃活動養正保育所前の交流農園でサツマイモなどの野菜を栽培し、幼児とともに収穫するほか、養正サテライト施設周辺の清掃作業を週2~3回実施している。そのほか、東山総合支援学校では、学校が立地する修道地域の運動会やお祭りなどにおいてテント張りやブースの設営、用具準備や片づけなどを行っており、地域にとってなくてはならない存在として期待され、多様な地域の方々と協働している。前述したように、東山総合支援学校では、各教科等を合わせた指導として「表現」、「社会生活」などを教育課程に位置づけ、授業を行っている。なお、職業学科を設置する特別支援学校高等部は一般的に、通常の学校と同様に国語、数学などの教科ごとに時間割を組む学校が大半であり、各教科等を合わせた指導を教育課程に位置づけている学校は少ない。当校では専門教科「地域コミュニケーション」と関連づけながら、これらの指導を通して実際的なコミュニケーションスキルの向上のほか、社会生活や職業生活において必要な資質・能力の育成を効果的に進めている。なお、「表現」では、国語や外国語などの内容を取り扱い、自己理解、自己表現、他者理解の促進を図るとともに、読む、「修道あきまつり」。出店の接客を生徒が担当した(写真提供:京都市立東山総合支援学校)他府県の修学旅行生への「観光案内」(写真提供:京都市立東山総合支援学校)11時までの1時間と短時間ではあるが、働く広場 2024.224

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