働く広場2024年2月号
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※今号の「編集委員が行く」(20〜25ページ)は菊地委員が執筆しています。ご一読ください。「働くこと」への意味づけや価値づけとその変化ナ出版刊)が出版された。中小企業向けの障害者雇用の認定制度「もにす認定制度」の成り立ちや意義、申請方法などを解説し、いち早く障害者雇用に取り組んできた5社の多様な実例を紹介している。資料として「もにす認定制度」チェックリストや「もにす認定」事業主一覧も掲載。四六判216ページ、2200円(税込)。『発達障害のある高校生のキャリア教育・進路指導ハンドブック就労支援編独立行政法人国立特別支援教育総合研究所発達障害教育推進センター主任研究員の榎■本■容■子■さんと、同センター総括研究員の井■上■秀■和■さんが編著を務めた『発達障害のある高校生のキャリア教育・進路指導ハンドブック支援編』(学事出版刊)が出版された。発達障害のある高校生の基礎理解から、就労に必要な指導・支援のポイント、就労のための制度・施策、職場定着を見すえた支援のあり方、相談・支援機関との具体的な連携方法、企業のサポート体制まで、幅広くイラストやQ&A形式を交えて解説。巻末には就労支援に役立つ資料も紹介している。B5判136ページ、3080円(税込)。就労これまで特別支援学校では、職業教育の充実を図り、作業現場などにおける実習などの実際的に働く体験を大切にしてきた。実際的かつ具体的な活動を通して、生徒が働くために必要な知識や技能を身につけていけるよう努めてきたが、それだけでは卒業後の働く生活は成立しにくく、「働くこと」そのものへの意味や価値に生徒自身が気づいていく過程、すなわち「キャリア発達」の視点が求められてきた。働くことの意味や価値は教えこむことがむずかしい。また、本来「働くこと」と「学ぶこと」は、乖離した関係ではないはずである。つまり、指導・支援する側が、生徒にとっての「学ぶこと」と「働くこと」をつなぐ工夫や、学びの過程で生じる生徒の育ちを見取り、適切に応じていくことが必要となる。そのためには、生徒が体験をふり返り、その意味や価値に気づけるような機会を大切にする必要がある。また、対話を通してなりたい自分とそのために必要なことの意識化を図ることや、本人の取組みを価値づけることで、生徒本人が取組みを重ねていけるよう支援していくことが肝要となる。京都市立東山総合支援学校は、多様な地域協働活動を通して、異なる年齢の相手の求めに応じていく「心が動く」体験を重視してきた。そして生徒本人を中心に、教師と生徒、生徒同士の対話を重ねることで、単なる体験にとどめず、生徒の見方や受けとめ方、行動に影響を与える、たしかな「経験」につなげてきた。社会のなかでよりよく生きていくことを実現するためには、希望する進路先にかかわらず、このようなカリキュラム全体を通した資質・能力の育成と本人を中心とした取組みが求められる。全国のどの特別支援学校にも地域リソースがあるはずであり、今後、その活用を通した小学部段階からの実践のアップデートを期待したい。また、近年求められている「キャリア・パスポート」の活用により、対話を通した「いま」と「将来」の「学びをつなぐ」取組みの充実を期待したい。編集委員のひとこと第32回弘前大学教職大学院教授菊地一文 - -- ■■■■■■■-』     ミニコラムマスコットキャラクターアビリンピック京都香川働く広場 2024.2東京都、京都府、香川県* 開催地によっては、開催日や種目ごとに会場が異なります*は開催終了※日程や会場については、変更となる場合があります。地方アビリンピック検索東京292023年度地方アビリンピック開催予定2月

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