働く広場2024年2月号
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おるょう●ワード・プロセッサ/パソコンデータ入力/パソコン操作/表計算発送書類の封入(30分)、社内便の仕分け(10分)の3課題。鎮し目め英え美み理りさん(山梨県)は、食品関連の会社で食材を詰める仕事をしている。「昨年、訓練校ですすめられてアビリンピックに初挑戦しました。競技は最後までがんばりたい」と話してくれた。同じく初出場の平ひ田た梨り沙ささん(奈良県)は調理器具の洗浄業務などの仕事をしていたが、ほかの仕事に挑戦したいと、現在は県立高等技術専門校で学んでいる。競技前に「アビリンピックの経験を活かして事務職に就きたい」と意気込んでいた。 「製品パッキング」は、緩衝材の組立て・結束25セット(30分)、小箱・中箱・化粧箱・外箱の組立て・組込・セットアップ4梱包(60分)の2課題だ。機器メーカーに勤める松ま浦う健け太た郎ろさん(山形県)は、昨年は地方アビリンピック山形大会独自競技の「製品パッキング(初級)」で実績智と貴たさん(岐阜県)は、職場では帳票のを残し、今年は地方大会を勝ち抜き、全国大会出場を果たした。「時間内に終えられるようがんばりたい」と話す松浦さんのそばで、上司は「職場で本人の担当は部品の袋詰めですが、アビリンピック挑戦で自信をつけ、社内周知や業務拡大につなげていけたら」と話していた。宇う野の管理や送付の作業を担当。競技後に「前回よりていねいさを心がけて取り組みました。メダルをとりたいです」と話していた通り、銀賞を受賞した。 「ワード・プロセッサ」は、ワープロソフトを使い、作成見本と作業指示書を見ながら和文文書の作成(80分)と英文文書の作成(60分)を行う。志し水み馨かさん(岐阜県)は、特別支援学校時代はパソコン部に所属し、いまは地方銀行の特例子会社で働いて4年目。職場では書類の電子化業務を担当している。競技後「余白の“マージン”という言葉や図形の組合せ方がわからず戸惑いましたが、自分の課題も見つけられて勉強になりました」と満足そう。応援に来ていた同社の社長は「2年前から会社としてアビリンピック挑戦を支援し、今回10人が手をあげました。練習を通して自ら学ぶことも多いようです」と話し、また、「日ごろから彼らの能力の高さに驚かされています。今日応援に来ている社員たちは、さまざまな競技を見て感じることもあるはずです」と語った。そして競技終了後、第10回国際アビリンピック(※2)「英文ワープロ」種目銀メダリストで、特別賞受賞者の佐さ藤と翔し悟ごさんによる実演も披露された(※3)。知的障害のある選手が対象の「パソコンデータ入力」は、アンケート入力、書類とパソコン画面上のデータを見比べたうえでの文書修正、表計算ソフトを使った帳票等作成の3課題(各30分)で、速さと正確さを競う。大お原は尚な史ふさん(滋賀県)は、入社7年目の会社でデータ入力や事務補助業務を担当し、上司のすすめでアビリンピックに挑戦し始めたという。「アビリンピックは全国のレベルがわかると同時に、ほかの競技も見ることができて勉強になります」と前向きに話していた。ずおおみらつらんう う らもかず5「オフィスアシスタント」平田梨沙さん(奈良県)「製品パッキング」銀賞、宇野智貴さん(岐阜県)「ワード・プロセッサ」志水馨さん(岐阜県)第10回国際アビリンピック「英文ワープロ」銀メダリストの佐藤翔悟さんによる実演「パソコンデータ入力」大原尚史さん(滋賀県)※2 本誌2023年6月号で「第10回国際アビリンピック」を特集しています。https://www.jeed.go.jp/disability/data/works/202306.html松浦健太郎さん(山形県)「オフィスアシスタント」鎮目英美理さん(山梨県)「製品パッキング」「喫茶サービス」金賞、高橋夏姫さん(大分県)※3 今号の「メダリストを訪ねて」(14〜17ページ)は、佐藤さんにご登場いただいています。ご一読ください「ビルクリーニング」片岡徹さん(徳島県)働く広場 2024.2

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