働く広場2024年3月号
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特別支援学校からも事システム導入の準備作業などを任されているAさんは「この半年間で業務内容が増えたのもうれしいです」と話す。高橋さんも「じつは先日、Aさんが1週間ほど休んだときは私と前川さんがてんやわんやになりました。それくらい重要な戦力になっています」と明かしてくれた。Aさんは現在10時~17時の6時間勤務から、8時間のフルタイム勤務を目ざしている。実習時からずっと隣のデスクでAさんを見守ってきた前川さんも「独学でソフトを使いこなし、私たちの手が回りにくい業務もこなしてくれる頼もしい存在です。無理せず成長していってほしいですね」と激励する。白青舎では2022年から特別支援学校のインターンシップ(就業体験)にも協力し、採用につなげている。「もともとは、清掃業務のある職場ということで、東京都特別支援教育推進室の担当者から電話で紹介されたのがきっかけです」と高橋さん。春と秋に各学校から計5人ずつ、1人あたり1週間の受入れだ。 「当初の内容は会議室と食堂の清掃、事務でしたが、清掃業務をあまりに早く終わらせてしまうので、いまは事務を中心に行っています。生徒たちの職務能力の高さには驚かされました」と高橋さん。このインターンシップを機に、翌年の2023年4月には1人が入社、2024年春も1人の採用が決まっている。2023年に入社したのは、東京都立志し村む学園卒で人事部に所属するBさん。いまはパソコンで健康診断結果などを社員名簿にひもづける作業や、給与明細の封入、シール貼りなどを担当している。高橋さんは「非常に作業が速くて正確です。何もいわなくても時間ピッタリでスケジュールをこなしてくれます」と評価する。Bさんは「パソコンの表計算ソフトなどは学校でも学んでいました。日ごろ心がけているのは、記入ミスがないよう、こまめに確認をすることです。目標は、ミスなく、難なく仕事をこなしていくことです」と話してくれた。現場で指導する前川さんによると、「受け入れた管理本部の社員たちも、彼らの様子を見ながら一緒に働くイメージがつかめるようになっていったので、Bさんが入社したあとも特に問題はありませんでした」とのこと。一方で業務を教えるときに心がけているのは、「まず一緒にやってみること」だそうだ。「口で説明するよりも、実際にやってみせて、すぐに本人にもやってもらうのが一番理解しやすいと思いました」。Bさんの封入作業やシール貼りの速さは社内でも知れわたり、最近は別部署から応援を依頼されることもあるという。高橋さんは、「今後も特別支援学校や    ら   8えています」職リハセンターなどと連携しながら採用を続けていきたい」と話す。 「全国各地の清掃現場に一般求人により採用した障害のある従業員がいますが、相変わらず雇用状態が不安定なので、採用と支援体制の強化をしていけたらと考人事部で働くBさんBさんはパソコンでの作業をはじめ、シール貼りなどの事務作業を担当している働く広場 2024.3

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