働く広場2024年3月号
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山■■田■拓■■朗■■『シンボルアスリート』として競技に取り組んだ現役時代3歳から水泳を始めた山田拓朗さん。  株式会社NTTドコモ(以下、「NTその後、着実に力を伸ばして強化選手へ。13歳でアテネ2004パラリンピック競技大会に出場し、筑波大学を経て2014(平成26)年に一般採用枠でTドコモ」)に入社しました。大学時代は水泳部に所属し、ほかの仲間に交じって厳しい練習をこなしてきました。 「パラスポーツへの関心は近年になって高まりつつありますが、私の学生時代やNTTドコモに入社した10年前は、十分に認知されていたわけではありませんでした。大学3年生のときに出場したロンドン2012パラリンピック競技大会は4位という結果でメダルに届かなかったので、『社会人として競技を続けたい』ということを就職活動の面接でアピールしました」と、山田さんは話します。現役時代は『シンボルアスリート』 「入社当初は、セカンドキャリアのとして競技と業務を両立してきました。『シンボルアスリート』とは、スポーツを通じて会社のモラルアップや地域活動に寄与する社員として、社内で認定されたアスリートであり、NTTドコモでは、ほかにもラグビーチームを保有して活動をサポートしています。シンボルアスリートであった現役時代の山田さんのスケジュールは、始業から14時までオフィス勤務やリモートワークを行い、一度帰宅した後、夕方から夜にかけて、練習場所である屋内プールで選手として練習を行うのが日課だったそうです。ことも意識して、通常業務にたずさわりたいと思っていました。その後、アスリートとしての活動に注目が集まるにつれ、練習場所の調整や取材対応など、シンボルアスリートとしての自分の競技にかかわる業務が中心になりました」プロフィールさん 3歳から水泳を始め、2004(平成16)年に13歳でアテネ2004パラリンピック競技大会に初出場。その後、2016年のリオ2016パラリンピック競技大会では、50m自由形で銅メダルを獲得。2021(令和3)年の東京2020パラリンピック競技大会まで5大会連続でパラリンピックに出場。2023年9月のジャパンパラ水泳競技大会を最後に、20年にわたる競技生活を終え、現役を引退した。 2014年に株式会社NTTドコモ入社。現役時代の山田さん。パラスポーツとしてではなく「純粋にスポーツとして見てもらえるパフォーマンス」を追求してきた(写真提供:株式会社NTTドコモ) 生まれつき左腕の肘から先がない。パラリンピック競泳の運動機能障害別の分類には10クラスあり、そのうちの9番目に障害が重いクラスに所属している。株式会社NTTドコモ総務人事部 労務厚生 厚生担当 「東京2020パラリンピック競技大会」を契機に、注目されているパラスポーツ。現在、数多くの種類のパラスポーツがあり、参加したり応援したりする人や企業が増えています。 第2回は、競泳選手として国際大会で活躍した山田拓朗さんと、山田さんが所属する企業で、その活動を応援してきた上司の方にお話をうかがいました。取材協力働く広場 2024.3株式会社NTTドコモ〒100-6150 東京都千代田区永田町2丁目11-1 山王パークタワー◆ 従業員数:7903人(2023年3月31日現在)◆ 事業内容:通信事業、スマートライフ事業などhttps://www.docomo.ne.jp/corporate/10第2回第2回クローズクローズアップアップ障害のある人とスポーツ障害のある人とスポーツ〜パラアスリートを支える職場〜〜パラアスリートを支える職場〜

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