働く広場2024年3月号
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不安定だった就労定着職リハセンターの訓練を見学してPOINT受動的な採用活動から転換するため、 1国立職業リハビリテーションセンターに相談し、連携する「企業連携職業訓練」、「就労支援機器の貸出事業」などを活用した職場実習2自治体のあっせんで、特別支援学校のインターンシップも受け入れ、採用につなげる31954(昭和29)年設立の「株式会社白は青せ舎し」(以下、「白青舎」)は、総合ビルメンテナンス事業として建物の清掃・衛生管理や設備管理、警備・保安サービスなどを手がけている。従業員1347人のうち障害のある従業員は29人(身体障害24人、知的障害2人、精神障害3人)で、障害者雇用率は2・91%(2023︿令和5﹀年11月30日現在)だという。 「3年ぐらい前までは障害者の法定雇用率を上回ったり下回ったりしていました」と明かしてくれたのは、管理本部人事部の部長を務める高た橋は隆た行ゆさん。 「それまでは清掃業務などの一般求人にたまたま障害のある人が応募してきたような受動的なケースが多くて、就労定着はむずかしく、つねに不安定でした」そのような状況を変えるべく採用活動先として目を向けたのが、障害者職業能力開発校の一つである、当機構(JEED)が運営する「国立職業リハビリテーションセンター」(以下、「職リハセンター」)(埼玉県)や特別支援学校だったそうだ。高橋さんは「訓練生や生徒たちは、具体的な業務の訓練や就労準備をしているので、働き始めてから職場になじみやすいようです。スムーズに戦力化を図りつつ、定着にもつなげられていると実感します」と手ごたえを語る。今回は職リハセンターの紹介も交えながら、白青舎における採用から定着までの経緯をたどってみたい。2020年に白青舎に転職してきた高橋さんは、以前勤めていた職場でも障害枝えさんがふり返る。者雇用担当者として職リハセンターに問い合わせた経験があった。 「あまり知識もなかった当時、インターネット検索で職リハセンターの存在を知り、さっそく見学させてもらいました。訓練生たちが就労支援機器を駆使しながら私たちと同じようにパソコン操作などをしている様子を見て、﹃これなら大丈夫だ﹄と感じました」そのときは縁がなく採用できなかったが、白青舎でも採用活動にかかわることになり、2021年10月、ふたたび職リハセンターに相談の電話をかけたという。対応にあたった、職業指導部職業指導課上席障害者職業カウンセラーの松ま坂ざ香か奈な 「高橋さんからは、﹃まず職場に慣れること、社員としてのリズムをつくること、 5きしかかつか  くいゃ  国立職業リハビリテーションセンター上席障害者職業カウンセラーの松坂香奈枝さん(写真提供:国立職業リハビリテーションセンター)株式会社白青舎管理本部人事部長の高橋隆行さん国立職業リハビリテーションセンター働く広場 2024.3

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