のRPAプログラマー育成に着手したそうだ。特徴的なのは、もともと知識や経験がなくても、意欲のある社員がチャレンジできるようにしたこと。そして、四つのステップをつくり、評価をしながら最終的には独り立ちを目ざす段階的なプログラムになっていることだ。各ステップについて触れていきたい。約2カ月間で30〜40時間のRPA基礎を学ぶeラーニングを受講し、修了することを次のステップに進む要件とした。すでにRPAによって自動化されたオリジナル案件を題材に、自動化ロボットを作成する。意図的に情報が欠落している状況をつくり、特性により抜け漏れや思い込みなどに課題を持つメンバーの気づきにつなげる工夫も心がけた。完成後は合否採点だけでなく、評価点と改善点を資料にまとめて対面でのフィードバックを実施することで、本人の次なる目標へのモチベーションにつなげた。次に、すでに受託している業務のうちRPAに適した案件を自動化するステップ。完成までは、社内担当課にてマンツーマンでサポート。専用チャットグループを作成し、いつでも不明点を質問できる体制を整え、週1回の進捗確認ミーティングを実施するなど、サポート体制も整えた。最終段階として、他部署からの依頼案件を一から担当することで、独り立ちを目ざしてもらう。自動化プログラム完成までは、システム部門をはじめ、経験豊富なスタッフがかかわる体制をとった。個々の習熟度に応じて徐々にサポートを縮小していくことで、本人が自力をつけながら自信を持って独り立ちできるようにした。このプログラムの成果として、9人のRPA技術者を輩出した。うち8人は未経験者であった。障がい種別の内訳は発達障がい8人、精神障がい1人だ。ほぼ全員、実務経験はなかったが、入社後にプログラミングへの興味・関心を持ち、一から自己学習を行い、独り立ちできるまでに成長を遂げた。そして、約3年間でロボット作成50件の実績を積んでいる。本プログラムの卒業生たちが、一から学ぶなかで独自に業務工程を整理し、詳細なマニュアルや専門知識のための資料子■さんにお話をうかがった。ム(※2)」について、担当者であるパーを作成した。その一部はマイナビに還元され重宝されているほどだという。今後について藤澤さんはこう語った。 「一人ひとりのスキルを向上させて、自動化対応件数を増やしていきたいです。今後は新規開発だけでなく、既存の修正対応も含め、開発担当者間での業務の受け渡しを円滑にするような仕組みづくりにも着手予定です。また、RPA業務に限らず、ほかの開発業務の一端もになっていくことを模索しています」とのこと。まだまだ新たなチャレンジは続きそうだ。次に「GAS・Pythonプログラトナー雇用開発部の松■尾■明■さん、佐■藤■桃■これは三つのプログラムのなかで最も新しく、2023年1月にスタートした。希望者を募り、上司の許可があればだれでもプログラムに参加できる仕組みとし、基本的にはすべて自主学習スタイルである。各ステップについて触れていきたい。プログラミングは独学でもある程度は ■■■ ■■GAS・Pythonプログラム 9カ月で30件、2500時間を削減①eラーニングでRPAの基礎力を習得②自社オリジナル課題に取り組む③マイナビパートナーズ内の定型業務をRPAで自動化④他部署からの依頼案件を担当①指定の動画を視聴して基本を習得※2 GAS・Pythonプログラム: GAS(Google Apps Script)とは、GoogleアプリのAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)のこと。Pythonとは、オープンソースのプログラミング言語。「GAS・Pythonプログラム」は、それらのスキルを社員に習得してもらうための学習プログラムパートナー雇用開発部の佐藤桃子さんパートナー雇用開発部の松尾明さん働く広場 2024.423
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