学ぶことができるため、知識のある精鋭メンバーが選定したYouTube動画を活用した学びに統一した。限られた時間で早く実践に進めるよう、課題は業務で使う知識を短期間で習得できる構成にした。また、知識の蓄積と育成の効率化を目ざし、プログラム参加者の質問と回答をデータベースに蓄積し、ほかの学習メンバーも参照できるような仕組みにした。参加者の学習進捗や取組み状況を現場の上長へ月1回報告し、連携も大切にしている。①②のステップを修了すると実務での自動化、独り立ちがスタートする。本プログラムの成果(2023年1〜9月実績)は以下の通りである。・育成人数:延べ13人・自動化ツール作成件数:30件・自動化による業務削減時間:2500時間スキルと育成に素養のある社員を「トレーナー」に任命し、教える側に回ることでモチベーションアップや個々の成長につなげている。また、業務拡大の好循環も生まれている。精鋭メンバーが担当していた自動化業務を新規メンバーに渡すことで精鋭メンバーのリソースに余裕ができ、新たな業務ニーズの発掘へとつながっているそうだ。松尾さんは、「会社の戦力となるIT人材の育成は急務だと考えました。ずっと同じ業務をし続けるのではなく、新しい課題に挑戦することが成長につながります。発達障がいとITとの相性はよいのではないかと、大きな可能性を感じています」という。実際にプログラムを進めるなかで、想定外のうれしい変化も見られたという。例えば、メンバー同士が互いにコミュニケーションをとり、教え合うようになった。また、コミュニケーションを苦手としていたメンバーがみんなの役に立ちたいと行動し、みんなから頼られるような存在になるなど、それぞれが成長して、自己肯定感を高めていく姿があったという。 「今後は、本プログラムを通してプログラミングのベース知識を持つ人材を増やし、実業務を自動化することでさらなる業務時間削減を目ざしたいと思っています。トレーナー昇格の社員を増やし、業務拡大のサイクルを加速させていきたいです」と松尾さんは語ってくれた。このプログラムに参加した社員の方からも、お話をうかがうことができた。2020年入社の齊■藤■百■花■さんはいう。 「入社当時の自分のパソコンレベルは低く、ショートカットキーの理解もままならないほどでしたが、プログラムを知り、参加してみようと思いました。私は忘れっぽく、抜け漏れが多いことや、集中力が続かないことが自分の課題だと感じていましたので、自分の業務効率化を学びたいと考えたからでした。最初は、本当に何も知らないところからのスタートでしたが、実践で自動化が成功したときは本当にうれしかったです」と、笑顔で語ってくれた。続けて、「入社してから担当の業務を ■■■ いただき、従事していましたが、データを目視で確認しチェックするという業務では慎重になり時間がかかってしまっていました。でもプログラムに参加し、これまで目検で行っていたチェックを自動化することで週1回90分かかっていた業務が30分で完了するようになり、年間では約50時間の削減につながりました。また毎日行っていた業務では一日あたり40分、年間では9600分(160時間)IT初心者の新たな挑戦②課題への取組み③実際の業務を自動化させて独り立ちパートナー雇用開発部で働く齊藤百花さん働く広場 2024.424
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