提供していることなどが紹介されました。後半のディスカッションでは、「本人の得意なことに着目し、その仕事に意欲を持てるかを大切に職域を開発している」、「実務に使えるトレーニングが求められるが、IT領域に対応できる支援機関はまだまだ少ない」などの意見が出され、活発な議論がなされました。パネルディスカッションⅡ障害者本人の支援ニーズや就労能力の現状などを把握して適切な支援につなげていくための「アセスメント」の活用が課題となっています。今般の法改正により、当事者の希望、就労能力や適性などに合った選択を支援する新たなサービス(就労選択支援)が創設されることをふまえて、パネルディスカッションⅡでは、障害者職業総合センター上席研究員の武た澤ざ友と広ひ氏をコーディネーターとして、秋田大学教育文化学部教授の前ま原は和か明あ氏、社会福祉法人桑そ友ゆ理事長の青あ山や貴た彦ひ氏、新宿公共職業安定所専門援助第二部門統括職業指導官の吉よ田だあおき氏、障害者 かこおまきずらえううしけわもろ とる 職業総合センター職業センター主任障害者職業カウンセラーの古ふ野の素も子こ氏をパネリストとして迎え、就労支援のためのアセスメントの目的や視点を確認したうえで、アセスメントを介した今後の就労支援のあり方について意見交換を行いました。はじめに武澤氏から本ディスカッションの背景にある問題意識として、アセスメントが属人化しないような「共通の枠組み」が求められていることが示唆されました。また、障害者職業総合センターが公開している「就労支援のためのアセスメントシート」の紹介や、今後の導入が決まっている新たな支援サービス「就労選択支援(アセスメントの手法を活用して、本人の希望、就労能力や適性等に合った選択を支援する)」について言及されました。次に各パネリストから、話題提供がなされました。前原氏からは、アセスメントにおいて個々の支援者に求められる知識や技能のキーワードとして、「本人の希望/意向/ニーズの把握」、「就労能力/適性/強み/課題の把握」、「配慮の整理」、「ケース会議の運営」などがあると提示され、それらを学べる研修プログラムが作成されていることなどが紹介されました。青山氏からは、多機関連携を軸とした就労アセスメントの仕組みづくりのための試行的な取組みとして、「就労アセスメントワーキングチーム」をつくり、チームで協業してアセスメントを実施している島根県松江市の事例が紹介されました。吉田氏からは、障害者雇用における求職者の多くが、精神・発達障害者になっていることをふまえ、ハローワークにもアセスメントの強化が求められるようになっている一方で、現在提供されている支援はすべて窓口職員の個人の経験や知識に委ねられている実態があり、個々人のスキルアップが求められていることなどが強調されました。を深めるアセスメント」に取り組むために、本人主導で目標設定をすることの重要性が強調されたうえで、「アセスメントツールの活用」、「グループワークの活用」、本人が気づきを書き留める「ナビゲーションブック」、「自分のことを伝えるワーク」など、障害者職業カウンセラーとして具体的に工夫をしていることが紹介されました。標設定をし、それに向かって情報提供をすることが大切」、「どのアセスメントツールを使ってよいのかがわかりにくいので、主旨や目的などをわかりやすく伝える仕組みが必要」などの意見が出され、活発な議論がなされました。古野氏からは、「自己決定を支え、自己理解後半のディスカッションでは「本人主導で目アセスメントを活用した就労支援の今後のあり方について働く広場 2024.5(注)コーディネーターおよびパネリストの方々の所属先・役職は開催日時点のものです★右記ホームページにて、パネルディスカッションの動画や発表資料等をご覧いただけます。https://www.nivr.jeed.go.jp/vr/31kaisai.html◇お問合せ先 研究企画部 企画調整室(TEL:043-297-9067 E-mail:kikakubu@jeed.go.jp)西岡幸智氏相良佳孝氏秋場美紀子氏松尾謙師氏青山貴彦氏古野素子氏吉田あおき氏武澤友広氏前原和明氏29
元のページ ../index.html#31