働く広場2024年6月号
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ゴム成形の熟練工も迷わない押印で作業時間も短くゴールは「すごい良くなった」ルアップにも励んでいる。工場の中央部で行われているゴム成形。ここではトランスファーとインジェクションという方法が取られている。トランスファーは、製品に合わせた量のゴムを、金型に手作業で流し込んで成形する。入社35年になる竹た永な直な也やさん(52歳)は、製造部製造課成形係でトランスファー用のプレス機4台を扱う。「この部品は16号機、チャタリング(機械スイッチの不具合の一種)は注意せんといかん。覚えることはたくさんあるけど、もう熟練や」と笑顔で話してくれた。いろいろな機械の名前や番号をよどみなく教えてくれた竹永さんについて、古吉さんは「親会社から、わざわざトランスファー成形を指定してくるときもあります。やり方をきちんと理解して対応してくれる竹永さんのような熟練工が減ってきているので、後継者育成が課題です」と明かす。一方のインジェクションは、ゴムの流し込みなどが自動化され、大きな機械がいくつも並ぶなかを多くの人が行き来していた。ここでの改善は、製品の成形状況がわかる緑・赤・白の看板。従来のシグナルタワーより見やすいようで、倉敷化工の中国の子会社でも使われるようになったという。最終段階ともいえる仕上げ工程では、できあがった部品を一つひとつ手に取って不具合がないか確認作業を目視で行っていた。担当者の目の前にあるモニター画面には対象部品のチェックポイントが画像でわかりやすく説明されていて、照らし合わせながら入念に確認している。これも改善の成果だ。 「以前は、品番に合わせて紙のファイルにまとめたものを毎回、棚から引っ張り出して確認していたのですが、いまはバーコード認識で瞬時にモニター画面に映し出されるようになりました」と古吉さん。モニター脇の台には検査票を置いて担    がけお きら  当者名の確認印を押すことになっているが、「押印場所がいくつもあって毎回迷う」という声に応え、1カ所だけ穴のあいた・「ドリルトレルンデ」(成形工程):ケー・「コロピタ助」(金具処理):内筒を並透明な板を載せることで「その穴から押せば間違いない」ようにした。「迷う時間がなくなり作業時間も短くなりました」と高田さんはいう。ここで働く管理部管理課検査・出荷係の寺て脇わ徹とさん(44歳)は、入社8年目だ。管理部管理課の検査・出荷係で仕上げ工程を担当しているが、「最初はいろいろな面でとまどうことも多かったです。モニター画面になってから、ほとんどの作業が手っ取り早くなりました。判子を押すのも簡単になってよかったです」と笑顔で説明してくれた。ほかにも、ちょっとした工夫と親しみやすいネーミングの改善事例の一部を紹介したい。スの上に乱雑に置かれていたドリルの刃の並びを整頓して探さずにすむようになり、①だれが使用中かもわかるようにし、②さらに軍手をはめたままでも取りやすいよう斜めに立てて収容した。べる作業をするたびに台からの落下が平均3回発生。台面の形状の改善で落下がなくなり、作業時間も早まった。おる働く広場 2024.6モニターにはチェックポイントがわかりやすく表示されている押印場所に判子を固定できる 伝票ホルダープレス機で成形作業にあたる竹永さん製造部製造課成形係の 竹永直也さん10

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