働く広場2024年6月号
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業務提携で支援サービス・「ミエミエミエール君」(金具処理):完成品の入庫場所を製品別に示す文字が、カラー地に黒文字で見えづらく、何度も確認していた。白地に大きく番号のみ記したことで瞬時に判断できるようになった。いまも改善活動が続いていることについて古吉さんは、「例えば、新しい従業員が加わると新しい問題が出てきます。また、改善しても使いやすいかどうかは別問題なので、最終的には『すごい良くなった』にならなければゴールではありません。従業員たちの評価レベルも高くなっていますね」と語る。みどりの活動は2017年、倉敷化工グループが開催した改善活動イベント「第5回KKCグループワールドカップ大会」での最優秀賞受賞をはじめ、公益社団法人日本プラントメンテナンス協会(JIPM)の「優秀改善事例全国大会2017」での大会特別賞受賞、2021年には一般財団法人日本科学技術連盟の「第50回全日本選抜QCサークル大会」で審査委員長賞等を受賞するなど、高い評価を受けている。キョウセイでは、2024年4月からP.P.P.と新たな業務提携をスタートさせた。まずはP.P.P.が運営する就労継続支援A型事業所から20人程度の利用者に来てもらい、施設外就労をしてもらうことになった。古吉さんによると、背景にはお互いの事情があったそうだ。 「P.P.P.では自動車部品関連の業務を受けていましたが、電気自動車化の流れで仕事の確保がむずかしくなっていました。私たちキョウセイのほうは、特例子会社という立場上、従業員たちの生活面での支援に限界がありました。今回の提携により、P.P.P.の支援サービスを従業員が受けられるようにしました」すでに多くの改善が実施されている工場内では、就労継続支援A型事業所の利用者にも難易度の高い施設外就労に取り組んでもらい、その分、キョウセイの従業員には新しい業務に挑戦してもらうのだそうだ。また、P.P.P.の就労移行支援事業所のプログラムにキョウセイの工程作業を加えてもらい、作業に慣れたところでキョウセイに入社できる道筋も考えているという。今後は、従業員の高齢化にも対応していきたいと古吉さんは話す。 「それまで担当していた業務がむずかしくなった場合に、就労移行支援事業所で再トレーニングして業務転換を検討するほか、キョウセイで働くこと自体が困難な場合は就労継続支援事業所を紹介してもらう道もあります。その際は施設外就労として再びキョウセイに来てもらうかもしれませんが、支援者・指導員の方がついていてくれるので、本人も私たちも安心して働ける場になるはずです」古吉さんたちは、P.P.P.との連携により、キョウセイ全体の事業拡大も見すえている。 「単純労働ではなく、少しでも付加価値の高い仕事をすることを従業員にうながしていきたいですね。キョウセイが請け負う業務も前後工程に幅を広げ、可能なかぎり内製化を進めていきます。そしてこれからも引き続き、キョウセイで働く従業員を増やしながら、キョウセイ全体の自主自立を目ざしていきます」その実現のためにも、「だれもが悩ま        員主体の改善活動、「みどりの活動」はない、迷わない作業現場」にむけた従業続いていく。働く広場 2024.6工場の一角では、就労継続支援A型事業所の 利用者が施設外就労に取り組んでいる寺脇さんは、製品の外観検査を担当している管理部管理課検査・出荷係の寺脇徹さん11

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