働く広場2024年6月号
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川本悠大さん瀧山友香さん林輝男さんきな手ごたえです。半数もの企業が精神障害者の雇用に前向きというのは驚きです。2014年の調査(※3)では、浜田市の生産年齢人口割合が52%で、日本全体では61・3%でした。つまり、働き手不足が全国平均よりも進行していると考えられます。加えて、S・IPSのような医療従事者が直接バックアップして支援することに安心感があったこともあり、47%というすばらしい数字になったと思われます。西川病院は、地域全体で精神障害者の就労を考える気運を高めるため、浜田市から基幹相談支援センターの委託を受け、直接ネットワークづくりに乗り出しています。副市長を訪問してアドバイスをもらったり、ほかの支援事業所を訪問するなど、絵にかいた餅にならないようなアクションが実効的だと思いました。ほかにも、地域で啓■蒙■映画の上映会をしたり、病院内で就労経験者に語ってもらう会を開いたりして、働く当事者の声も広げています。毎日の活動は、予定通りにならないこともたくさんありますが、何がたいへんかとあらためて聞かれると、結構忘れて■■  ■■■■■■  ■■   しまっていますね。一緒に作業を経験させてもらって、いつもとは違う面が見られたりするのがおもしろいです。働くことがすべてではないですが、就労に向けて動くことがリカバリーの過程の一つとして、その人が自分らしい人生を見つけたり、やりたいことを実現できる支援をしていきたいと思っています。大学時代の実習でIPSを知りました。一人の人と深くかかわるIPSの伴走支援は、むずかしさもありますが、ご本人の成長を見られたり、就職先が決まったりしたときは、とてもうれしいです。面接に同行する途中で虹が出ていたときがあり、「いいことありそうだ!」と面接に臨んだら、その場で採用決定になったことがありました。虹を見たことで二人のよい思い出になったことを覚えています。この取組みが他地域でも広がってほしいと思っており、問合せをいただいた病院とのZoom勉強会などを重ね、IPSを開始された病院もいくつか出てきました。この先、どこの街にも一つはIPSチームがあるような社会になればよいと思います。一緒に働く人が増えることで、精神障害に対する理解や気づきが市民の間に広がってほしいです。西川病院のみなさんに見送られ、午後は車で10分ほどの場所にある石見食品株式会社(以下、「石見食品」)へ移動しました。創業61年になる石見食品は、大きな二つの工場で豆腐、油揚げ、厚揚げ、惣菜などを製造・販売しています。代表取締役社長の石■田■浩■志■さんに迎えていただきました。従業員63人のうち、障害のある従業員は5人です。30年前に当時の養護学校から新卒で入社した森■川■ゆき子さん、中途採用で入社して1カ月の高■橋■貴■弘■さんの職場を取材させていただきました。S・IPSのみなさんからコメントをいただきました働く人たちを訪ねて働く広場 2024.6※3 総務省「人口推計(平成26年10月1日現在)」豆腐工場で働く森川ゆき子さん石見食品株式会社 本社豆腐工場石見食品株式会社代表取締役社長の石田浩志さん石見食品では豆腐や油揚げなどを製造している24

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