働く広場2024年7月号
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援(※2)」などの支援も活用し、障害のある社員のサポー佐賀県唐か津つ市に本社を置く「株式会社ワイビーエム」(以下、「ワイビーエム」)は、建設や土木などの分野において使用される地盤改良機やボーリングマシンなどの製造を手がける機械メーカーだ。社会貢献の一環として障害者雇用にも積極的に取り組んでおり、現在5人の障害のある社員(精神障害4人、知的障害1人)が、製造や検査、清掃の分野において活躍している。入社7年目で精神障害のある髙た宗む拓た実みさん(33歳)もその一人で、製造部の岸山第1工場に所属し、機械部品などの材料となる鋼材の切り出し作業を担当している。これは、製造工程のスタートラインとなる重要な作業であり、材質や形状、サイズなど、さまざまな種類のある鋼材のなかから指定の物を間違いなく選び出し、「高速切断機」や2種の「のこ盤」を使い分け、指定されたサイズに切り出していく。障害の特性に配慮し、決められた作業手順を自分のペースで行える職場環境となっている。髙宗さんは、職業能力開発校である「佐賀県立産業技術学院」で機械加工を学んでおり、「ものづくりにたずさわることが夢でした。過去には症状が重くなり働きたくても働けないという経験をしており、いまは働けることがうれしく感じます」と語る。髙宗さんは、つい考え過ぎてしまい不安な気持ちになることも多いというが、週1回を目安に労務管理担当者と面談し、相談や雑談などをすることにより不安が和らぎ、気持ちが楽になるという。今後、より大型の装置を担当することを目ざし、装置の扱い方や仕事の進め方を学んでいる最中だ。ワイビーエムでは、当機構の「職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援(※1)」や「職場復帰(リワーク)支トを行っており、定着率の向上につなげている。    かねく ら作業開始前、伝票を確認し手順を考える髙宗拓実さん※1 職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援:障害のある人が職場に適応できるよう、ジョブコーチが職場に直接出向いて行う支援※2 職場復帰(リワーク)支援:うつ病などにより休職している人や休職している社員の職場復帰を進めようとしている企業に対し、医師の助言を得ながら、円滑な職場復帰に向けて行う支援さまざまな種類のある鋼材のなかから指定の物を選び、クレーンで吊り上げる朝礼の様子。業務連絡、危険予知活動などを行う働く広場 2024.716

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