働く広場2024年7月号
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の開設以来、修了生は1万人を超え、直近の就職率は80%を超えているとのこと。訓練科目は、3カ月訓練の就業支援科、6カ月訓練は職域開発科などの三つの科、1年訓練はビジネスアプリ開発科などの八つの科がある(図)。全般的な入校の状況については、20     ■  ■■■■ 24年4月に入校した人は65人、東障校は東京都小■平■市に位置していることもあり、都内在住の人が7割程度と最も多く、次いで埼玉県在住者らで、9割以上が関東在住者である。一方、東障校には寮もあり、全国から応募可能とのこと。科によって受け入れる障害種別が設定されている場合(例えば知的障害者のみを受け入れる実務作業科など)もあるが、全般的には、身体障害のある人、精神障■■害や発達障害のある人を各科で受け入れている。現状、東障校の入校者は発達障害を含めた精神障害のある人が多くなっているとのこと。また障害者手帳上は、身体障害者の手帳を所持していても、精神的な側面にも課題のある人が多いと感じているようだ。そして、その職業に必要とされる技術を高めるためだけに訓練する、というタイプの訓練生は少なくなっており、現在は、職業準備性ピラミッドの土台部分へのアプローチが重要になっているとのことである。各科が設定した一日6〜8時限の訓練を継続して受講してもらうため、入校に際しては選考がある。応募は必ずハローワーク経由となるが、入校につながるきっかけとして障害者就業・生活支援センターや、区市町村の就労支援センターなどがすすめる場合も少なくないとのことだ。概要をうかがった後、「ものづくり技術科」を見学させていただいた。ものづくり技術科は技術スタッフとしてものづくりを中心とした企業への就職を目ざすための科であり、訓練では3Dプリンタを用いるなど、設計から製造までのプロセスを学ぶことができる。なお、ものづくり技術科は、身体障害者手帳の所持者か、発達障害者・精神障害者で精神障害者保健福祉手帳を所持し心身の状態が安定している人を応募対象者としている。訪問した際には、パソコンを用いた授業が行われていた。また、これまでに製作した生徒の作品も展示されていた。訪問時点では3人の訓練生がおり、みなさん就職は決まっているとのことであった。訓練生の方たちへ個別にお話をうかがうことはしなかったが、指導を担当されている、職業訓練指導員で主任の高■岡■幸■三■さんによれば、入校当初に比べて、技術面でも、また社会人としても非常に成長しているとのことであった。見学後は発達障害者・精神障害者への訓練および支援に焦点をあてて、菊地さん、栗原さんに加え、就業支援科の職業訓練指導員で課長代理の小■林■克■子■さんも交えてお話をうかがった。東障校にはさまざまなコースがあるが、発達障害、精神障害のある人への職業訓練という観点から設計された科の一つに、「就業支援科」がある。就業支援科は、訓練期間が3カ月と短く、毎日通うことに自信がない人や就業経験の浅い人に適したコースとなっている。内容としては、ビジネスマナー、コミュニケーションスキルなど、社会生活に必要なスキルを学び、また事務、調理、清掃などの実習も行っている。応募対象者は精神障害者、発達障害者、身体障害者■■ものづくり技術科の見学発達障害者・精神障害者への職業訓練の実際3カ月訓練6カ月訓練1年訓練就業支援科職域開発科調理・清掃サービス科オフィスワーク科ビジネスアプリ開発科ビジネス総合事務科グラフィックDTP科ものづくり技術科建築CAD科製パン科実務作業科OA実務科ものづくり技術科の授業の様子(資料提供:東京障害者職業能力開発校)働く広場 2024.7図 訓練科目22

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