働く広場2024年7月号
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POINT123高知県高知市に本社を構える「四国管財株式会社」(以下、「四国管財」)は、1962(昭和37)年の設立以来、ビルメンテナンスから病院サポート業務、マンション管理、害虫駆除、ハト対策まで幅広い事業を展開してきた。なかでも病院現場の清掃・衛生管理業務には、2000(平成12)年ごろから障害のある従業員もたずさわるようになり、大事な戦力として定着しているという。いまでは従業員340人のうち障害のある従業員は8人(身体障害3人、知的障害3人、精神障害2人)で、障害者雇用率は2・79%(2023︿令和5﹀年6月1日現在)にのぼるそうだ。今回は、取引先の病院現場で働く従業員のみなさんを中心に、四国管財の社風を活かした障害者雇用の取組みについて紹介していきたい。JR高知駅から徒歩5分、街なかの川沿いにある「社会医療法人近ち森も会近森病 りか   たりき7つきまう   院」は、年間の救急車搬入が約7千件超という地域の中核病院だ。ここで四国管財は、クラークやアテンダント、警備、清掃、設備管理などの業務を請け負い、180人ほどの従業員が働いている。このうち清掃部門(約70人)には障害のある従業員3人が所属している。四国管財の事業部第1事業課長とお客様係を務める筒つ井い潤じさんに職場を案内してもらった。ちなみに四国管財では、代表取締役社長の森も下し幸ゆ雄おさんをはじめ、主要な管理職は「お客様係」の肩書きも持っているそうだ。最初に見学させてもらったのは、同病院の職員と四国管財の従業員の休憩場所や事務所が入っている病院管理棟。1階の敷地内に、ずらりと洗濯機が並ぶ一角がある。院内の清掃で使われたダスタークロスを洗浄している場所で、毎日150枚ほどが集まってくるという。ここでゅんの作業は、業務用の掃除機で小さなごみなどを吸い取り、消毒液につけ込んだあと、洗濯機で洗ってから干していくという流れだ。テーブルに乗せたダスタークロスに、1枚ずつ掃除機ノズルをあてて吸引作業をしていたのは山や﨑さ功こ喜きさん(23歳)。特別支援学校2年次、3年次の職場実習を経て2019年に入社した。学校の先生から四国管財に、「会話はむずかしいが、いわれたことはしっかりやれる生徒です」ビルメンテナンスからハト対策まで1日150枚のダスター洗浄四国管財株式会社事業部第1事業課長でお客様係の筒井潤さんダスターの洗浄作業にあたる山﨑さん清掃部門で働く山﨑功喜さん働く広場 2024.7作業負担の高い清掃業務を分業、効率化と戦力化を図る家庭との緊密な連携、こまやかな声がけが安心感に独自の報・連・相システムで働きやすい環境づくり

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