働く広場2024年8月号
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(1)障害者の雇用の実態等に関する調査(2)障害者の雇用の実態等に関する 【目的1】の達成のために、障害のある労働調査の結果分析【目的1】事業所に雇用されている障害者の【目的2】就労支援機関が職務設定、職務創近年、障害者の雇用数が増加するなか、合理的配慮の義務化や法定雇用率の引上げ等が行われ、障害者の雇用や就労をめぐる環境が大きく変わっています。また、そのような変化のなか、特に2018(平成30年)年に厚生労働省が実施した「障害者雇用実態調査」によれば、回答事業所は、障害者を雇用するにあたっての課題として、「会社に適当な仕事があるか」を最も多く選択していました。以上の背景から、次の二つの目的のために調査を行いました。職場環境・労働条件、必要な合理的配慮、利用している支援機関等の実態を明らかにする出・再設計等を検討する事業所に助言する際、および事業所が自ら職務設定、職務創出・再設計を行う際の参考とするための事項を明らかにする調査は総務省統計局が整備する事業所母集団データベースを用いて、従業員5人以上の事業所から産業、従業員規模、地域で層化抽出した1万5000事業所に対して、「調査票A(身体障害、精神障害、発達障害、高次脳機能障害、難病のある方向け調査)」および「調査票B(知的障害のある方向け調査)」と、「事業所調査(障害者の雇い入れ・雇用管理を担当されている方)」を送付することで実施しました。なお、調査票AとBは事業所から雇用する障害者に渡すようお願いしました。調査票Aに回答のあった障害のある労働者5698人について、障害種別では「身体障害」が3482人(61・1%)で最も多く、次いで、「精神障害」が849人(14・9%)、「発達障害」が582人(10・2%)、「難病」が230人(4・0%)、「高次脳機能障害」が100人(1・8%)、「その他」が203人(3・6%)でした。回答不明は252人(4・4%)でした。また、調査票Bに回答のあった知的障害のある労働者は、1166人でした。者の方には、アンケートでさまざまなことをうかがっています。「今後の職業生活を充実させるために希望すること」を聞いた設問では、10の項目について、当てはまるものを選択してもらいました。その項目のなかの「現在の業務を引き続き行いたい」(調査票Bでは「今やっている仕事をこれからもやりたい」)は、障害のある労働者の職場定着とも関係する重要な項目ですが、調査票Aで3951人(69・3%)、調査票Bで857人(73・5%)が「当てはまる」と回答していました。いずれの調査票でも約7割の人が「現在の業務を引き続き行いたい」と回答していたのです。しかし、それは約3割の人はそのように回答しなかったことも意味します。では、障害のある人が「現在の業務を引き続き行いたい」と回答する可能性のある要素、あるいは回答しない可能性のある要素とはいっ      たいどのようなものなのでしょうか?いたい」という回答と関係する要素があるか、ロジスティック回帰分析という統計手法を使って検討してみました。ちなみに、ここでは、調査票Aと調査票Bで言葉遣いや項目数が異なることがあることから、調査票Aについて取り上げます。合理的配慮の項目について「十分な配慮を受け本調査研究では、「現在の業務を引き続き行その分析の結果、年齢が高くなること、19の障害者職業総合センター研究部門 障害者支援部門1 はじめに2 調査の方法3 調査の結果障害者の雇用実態および障害者の従事する職務の実態働く広場 2024.810

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