弘ひ幸ゆさんはふり返る。ろき お らうけ サービスでも「十分活躍できるのでは」との意見が多数聞かれ、親会社への出向や転籍の意向を本人に打診したそうだ。ところが当の本人には、まったくその気がなく、「仲間と一緒に働きたい」とあっさりと断られてしまった。 「一人ひとりキャリアの形は違う。本人が望む環境で、やりがいや働きがいを育んでいく制度や体制が必要だと感じました」と、王将ハートフル取締役の太お田たこのエピソードは、その後の王将ハートフルのキャリア形成の考え方、制度づくりにも大きく影響を与えた。 「みんなから頼りにされる指導員を目ざしています。メンバー(障害のある社員)は一人ひとり違うので、その人に合った教え方や声がけをしています」と、岩前さんは笑顔で答えた。ビスの従業員たちと一緒に働いている。彼はコンテナクリーン場で、コンベアから流れてきた洗浄ずみのコンテナを運びパレットに積み上げる仕事、そしてそのコンテナをラッピングする仕事を担当している。王将ハートフルから王将フードサービスへ出向して仕事をしているのだ。2023年10月から試験的に作業を始め、正式には2024年1月からコンテナクリーン場での業務に従事することになった。もくもくと作業をする姿が印象的である。荒木さんは「わからないことは聞くように気をつけています。ていねいに教えてもらえるので安心して仕事ができます」と、うれしそうに答えてくれた。荒あ木き裕ゆ介すさん(29歳)は、王将フードサーじつは荒木さん、コンテナクリーン場での仕事に就く前は大分つらい時期が特性を活かして働ける仕事を工場長と一緒に見つける岩前さんは「指導員」として障害のある社員の指導とともに、ライン全体の流れを見ながら材料の移動(右)や原料の品質チェック(左)などを行う荒木さんは、王将ハートフルから親会社である王将フードサービスへ出向し、工場内のコンテナクリーン場で各種作業を担当している株式会社王将ハートフル取締役の太田弘幸さん働く広場 2024.822
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